韓国 珍島(チンド)沈没旅客船 乗客6人死亡,290人失踪...「動かないで」 放送 論難
高校生325人など乗客459人を乗せて済州島(チェジュド)へ向かっていた旅客船が沈没して、乗客6人が死亡し290人が失踪する大型惨事が起きた。 失踪者はほとんどが船内に閉じ込められていると推定されるが、救助作業が遅く、死亡者が大幅に増えると見られる。 救助された乗客たちは‘動かないでください’という放送が流れ、待避が遅れたと話していて、船長など船会社職員の対応を巡り問題になると予想される。
16日午前8時50分頃、全南(チョンナム)珍島郡(チンドグン)鳥島面(チョドミョン)屏風島の北側20kmの海上で、清海鎮(チョンヘジン)海運所属6825t級旅客船セウォル号が沈没中という申告を海上警察に送った後、昼12時頃に完全に転覆し水深38mの海中に沈んだ。 セウォル号は15日夜9時頃、仁川(インチョン)旅客ターミナルを出航し済州(チェジュ)へ向かう途中だった。
中央災害安全対策本部はこの日午後4時30分ブリーフィングで「海洋警察庁事故収拾本部の集計結果、搭乗者459人中164人が救助され、2人が亡くなったことが確認された」と明らかにした。 残りの293人は生死が確認されていない。 船には済州島に向けて修学旅行中の京畿(キョンギ)安山(アンサン)檀園高等学校の生徒325人と教師14人が乗っていた。 死亡者2人は、旅客船の職員パク・ジヨン(22)さんと檀園高生徒チョン・チャウン(17)君と確認された。
負傷者7人は近隣の珍島韓国病院(1人),木浦(モクポ)韓国病院(4人),海南(ヘナム)総合病院(1人),海南(ヘナム)ウリ病院(1人)等で治療を受けている。 状態が良好な乗客多数は珍島体育館で安静をとっている。
海上警察はセウォル号の船室と食堂、売店などに失踪乗客が残っていると見て、海上警察特攻隊などの潜水士を投じたが、潮流が速く捜索に困難を来している。 この海域は潮流が秒速1mに達するほど速いために、船体は遭難信号を送った海上から北西側に7kmほど流された後、水深38mの屏風島付近の浅瀬の上に逆さに沈んでいる。
海上警察は相当数の乗客が船体が急激に左に傾いたせいで、客室のドアを開けられず閉じ込められているものと推定している。
だが、船体の引き揚げは三星重工業巨済(コジェ)造船所所属の3600t級海上クレーンが到着する19日午前に始まるものと見られる。
事故原因はまだ明らかになっていないが、事故直前に船の前部で‘ドン’という音がしたという生存者の証言に照らし、霧の中で暗礁に衝突した可能性が提起されている。
また、数人の生存者が‘動かないで下さい’という船内放送を聞いたと証言していて、旅客船職員の誤った判断により待避が遅れたのではないかとの指摘も出ている。 救助されたある生徒は「船内が水に浸っても放送では動かないで下さいと繰り返していた」として「船が傾いて滑り落ちて腰と脚をケガした人も多かった」と話している。事故現場では海軍・海上警察の艦艇148隻、航空機15機などが出動して救助作業を行っている。 海軍特殊部隊21人と海洋警察庁特攻隊6人も緊急投入された。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は事故直後、キム・ジャンス国家安保室長から最初の報告を受けた後「海軍と海上警察の人材と装備、そして動員可能な近隣のすべての救助船舶などを最大限に活用し、救助に最善を尽くしなさい」と指示したとミン・ギョンウク大統領府報道官が伝えた。
木浦/アン・クァノク記者 okahn＠hani.co.kr
訳J.S(1817字)