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[特別寄稿/ジョン・ケリー米国国務長官] 平和のための女性の核心的役割

登録:2014-03-07 00:46
ジョン・ケリー米国国務長官

 世界女性の日(3月8日)はカレンダーに示された日以上の意味を持つ。 この日は一層平和で繁栄する世の中を作るための私たちの決意を改めて確かめる日だ。 それだけでなく女性のための機会が増える世の中が、平和、繁栄および安定に関する可能性がより一層拡大する世の中だということを認識する日でもある。

 私は米国国務長官として毎日このようなことを感じている。 シリア アレッポに対するアサド政権の継続的な砲弾攻撃の中で、残酷な政権の実体が世の中に明らかになっているものの、シリアの女性たちもまた、勇気と根気強い行動で自分たちの真の姿を世の中に示している。 我々は先月スイス モントルーでこのような驚くべき女性たちの証言を聴いた。

 彼女たちの話は数多くの他のシリア女性たちの勇敢さを見せてくれた。 イドリブ出身のある女性は、自由シリア軍と協力して、その村の住民たちが故郷に残って自分たちの土地を耕作できるようにした。 アレッポ出身の別の女性は検問所で政府軍に食糧を提供することによって事実上人道主義的接近制限をなくした。 このような行動こそが戦闘状況の中で命を惜しまない勇気に他ならない。

 女性が私たちに葛藤解決の希望を提示するのは、シリアだけではない。 女性は繁栄、安定および平和という私たちの共通目標にとって大変重要だ。 女性は私たちの経済を活性化するだけでなく、戦争を終息させる上でも同様に重要だ。 事実、戦争で最も大きな負担を背負うのは女性だ。 だが、女性たちの声は平和交渉の時にほとんど聞こえない。

これを変えなければならない。

 女性に価値を置いて意思決定に参加するよう権限を与える国家は、より一層繁栄して安全になる。 そうでない国家はその反対になる。 女性が交渉から除外されれば、その後の平和はより一層弱くなる。 信頼が崩れ人権と責任がたびたび無視される。

 あまりにも多くの国家で条約は戦闘員が戦闘員のために作る。 そして、すべての平和協定の半分以上が締結して10年以内に失敗に終わっているという事実は全く驚くに値しない。 平和構築および紛争予防の努力に女性を参加させることによって、このような状況を変えることができる。

それでは、どのようにすれば、これを成し遂げられるだろうか?

 女性が同等なパートナーとして参加する時、深刻な紛争を予防し平和を構築、守護しやすいということは全世界的に多くの証拠を通じて知ることが出来る。

 まさにこの点が私たちが全世界の紛争地域と紛争を行った地域で女性を支援するために努力する理由だ。

 私たちはアフガニスタンの女性たちが選挙に出て、すべての水準の国家運営に参加するよう支持している。 今日アフガンの女性たちは、10年前には考えることもできなかった方式で前進している。 会社を設立した人もいて、国会議員として奉職する人もいて、学生を教えたり医師や看護師として仕事をする人もいる。 彼女たちこそがアフガンの未来のための土台だ。

 ミャンマの人々が数十年間にわたり自国内の紛争を解決するために努力している間、米国は女性たちが平和プロセスと地域間平和構想に意味を持って参加するよう支援している。

 私たちは女性が平和構築に参加するためには彼女たちの安全が必須だということを知っている。 まさにそのために、私たちはどこで仕事をしていようが、女性が人道的支援と救護事業に同等な接近権を持てるよう努力している。

 米国もやはり先頭に立って模範を見せている。 私の妹は私より先に国務部で働いた父親を見習って、数年間にわたり国連で仕事をしている。 彼女は開拓者とは言えるが、一人ではない。 スーザン・ライス ホワイトハウス国家安保補佐官、サマンサ・パワー国連駐在米国大使、ヘザー・ヒギンボトム国務部管理・資源担当副長官、ウェンディ・シャーマン国務部政務次官など高位外交官と平和交渉家の中に女性が多いことは偶然ではない。 現在、国務部地域担当次官補の中で1人を除き全員が女性だ。

私たちが官女たちの成果を祝うのは、彼女たちが単に女性であったからではなく、彼女たちの努力で全世界の老若男女、すべての人々がより一層安全になるためだ。

平和とは紛争のない状態のことではない。 平和とは、すべての社会構成員が安定と繁栄を増進するために共に努力している状態をいう。

市民全員が国家の未来に寄与できる社会でなければ、いかなる国家も成功できない。 また、女性が中心的役割を受け持つことができないならば、いかなる平和も長く持続することはできない。 だからこそ、今日私たちは女性たちが経てきた長い旅程を記念するのであり、より一層重要な今後の旅程に力を尽くすことに念を押すのである。

ジョン・ケリー米国国務長官(※ジョン・ケリー米国国務長官が世界女性の日を迎えて<ハンギョレ>に寄稿を送って来たので掲載する。)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/627192.html 韓国語原文入力:2014/03/06 20:28
訳J.S(2161字)