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[医療営利化が変える世の中 (1)チリ医療‘階級化]

登録:2014-02-27 00:07 修正:2014-09-03 14:39
今月初め、チリ サンティアゴにある民営保険会社パンメディカのある支店に市民が出入りしている。

 チリでは行列に長く列ぶ。 じっと我慢して待つだけだ。 ところが文字どおり "待っている内に死んでしまう" と非難されるサービスがある。公共医療サービスだ。 貧富格差が深刻なチリでは、生活の問題だけでなく生き死にの問題も不公平だ。 医療保険にも‘階級’がある。

 チリの医療保険は韓国とは異なり二つに分かれている。 政府が運営する公営保険(FONASA)と私企業が運営する民営保険(ISAPRE)だ。2011年基準で、公営保険のFONASAには76.2%、民営保険のISAPREには16.9%が加入している。 そのほかに3%は軍人医療保険を利用し、残りは未加入自営業者たちだ。 被雇用者は賃金の7%を保険料として払い、義務的にFONASAに加入して基本的に公共医療機関を通じてサービスを受ける。 だが、本人が希望すればISAPREに加入して民間病院を利用することができる。 ただしISAPRE加入者は年齢と性別、保険が適用される病院およびその範囲により多様な保険料を払わなければならず賃金の7%を越える差額は加入者自身が負担する。

 従ってISAPREに加入するには、FONASA超過分を賄える経済力がなければならない。更に良い病院で診療を受けようとするなら、より多くの保険料を納め続けなければならない。 昨年6月基準で、チリ最大の民営保険会社であるパンメディカの加入者当たり月平均保険料は4万9413ペソ(約10万ウォン、1万円)だ。 所得水準を考えれば少なくない金額だ。

 アンドレスベロ大学が2010年に発表した資料を見れば、2008年基準でISAPRE加入者の月平均所得が43万ペソなのに、FONASA加入者は19万3000ペソだ。 当時の最低賃金が15万9000ペソ(現在は21万ペソ)であり、FONASA加入者は最低賃金に近い所得で暮らしている階層という意味だ。

 医療保険監督院の2012年発表を見れば、FONASA加入者は‘安いので加入した’‘無料なので加入した’という応答がそれぞれ27%、22%だ。 彼らの最大の不満は医療サービスが遅い(25%)とか悪い(11%)ということだ。

サンティアゴ/文・写真 キム・スンベ通信員 otromundo79@gmail.com

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/626029.html 韓国語原文入力:2014/02/26 22:32
訳J.S(1183字)

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