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「国家情報院と相談して妹を連れてきて申告する、そんなスパイがどこにいるか」

登録:2014-02-16 20:47 修正:2014-09-05 17:19
‘ソウル市公務員スパイ事件’の被疑者ユ・ウソン氏(写真中央)が16日午後、ソウル、瑞草洞(ソチョドン)の民主社会のための弁護士会(民弁)事務室で開かれた検察の証拠ねつ造解明に対する民弁の反論記者会見に参加し、弁護士の発言を聞いている。 シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

 ‘ソウル市公務員スパイ事件’の被疑者ユ・ウソン(34)氏は16日、検察側記者会見を見回して 「全て再反論できる内容」と話した。 検察はこの日午後2時、記者会見を通じて‘偽造疑惑文書’入手過程を説明した。 検察はユ氏が北韓に行き来したという主張を撤回しなかった。 「事実、中国当局が客観的な判断をするかは不安でした。 他国の事にわけもなく介入する必要もないですから。 真実を通知してくれて本当に幸いです。」ユ氏は苦々しく笑った。

 ソウル市公務員スパイ事件は、昨年2月検察の発表で世の中に知らされた。 ユ・ウソン氏は北韓が南へ派遣(南派)したスパイだという内容だった。 核心根拠はユ・ウソン氏の妹カリョ(27)氏の自白だった。 ユ・カリョ氏が2012年10月に韓国に入ってきて国家情報院合同尋問センターで調査を受けている間に‘兄さんは北韓保衛部が送ったスパイ’と自白したということだった。

 ユ・カリョ氏は裁判過程で‘国家情報院の懐柔と拷問捜査で虚偽の自白をした’と陳述を覆したし、裁判所は昨年8月ユ氏に無罪を宣告した。 検察は控訴審裁判でユ・ウソン氏がスパイであることを立証するとして(脱北以後の時点である) 2006年5月27日以後にもユ氏が継続的に北韓に出入りしたと記されている出入国記録を裁判所に提出した。 しかし中国政府は‘韓国検察の文書は偽造’として、先週我が国の裁判所に公式に知らせてきて波紋が生じている。

 ユ氏は「当初から国家情報院が妹を韓国に連れて来いと言った」と打ち明けた。 「私を担当する国家情報院職員がいました。 私が(中国に留まっている)妹を連れてきて一緒に暮らしたいと言うと、その職員は‘連れて来れば助けてやる’と言いました。 それで国家情報院を信じて妹を連れてきて自主申告しましたよ。そうしたら、私と私の妹が北韓が送ったスパイだと言うのです。国家情報院とあらかじめ相談して妹を連れてきて自主申告する、そんなスパイがどこにいますか。」 ユ氏は1審裁判の時に検察が呼んだ脱北者証人に対しても疑問を抱いていた。 「北韓で私に1997年と2007年に北韓、会寧市(フェリョンシ)で見たと主張する脱北女性が法廷に出て来たのです。 黙って少し離れた場所で私を二度見たそうです。 ところで、その女性は北韓のユソン市に住んでいて、私とは何の関連もない方です。 自分の夫が監獄に行って出所したと言っても覚えていないのに、私に会ったことはくっきりと記憶しているというのです。 あきれます。いったい検察がどのようにしてこのような証言者を探してくるのかわかりません。」 この他にも検察はアヘン中毒の脱北者までを1審で証人として呼び、‘ユ・ウソン氏を2011年1月の(旧)正月に会寧市(フェリョンシ)のユ氏の父親の家で見た’という証言も引き出した。 だが、この日、ユ氏父子は中国に留まっていたことが写真証拠で確認された経緯がある。 「私は1審で無罪判決を受けた後、韓国で静かに暮らしたいと思いました。 しかし、検察が証拠ねつ造までして、私をスパイに仕立て上げ、とてもくやしいです。 韓国は人権を尊重する民主主義国家だと思って越えて来たのに、あまりに苦痛です。」 ユ氏は胸を打って苦しがった。

 検察はこの日「‘ユ氏が中国で収集し韓国裁判所に出した資料は歪曲されたもの’として‘延辺(ヨンビョン)朝鮮族自治州公安局の幹部’が書いた陳述書がある」と記者たちに説明した。 これに対してユ氏は「私の妹が延辺公安局担当者を訪ねて行って尋ねると‘ただ上が作った文書に印鑑だけ捺せと言って作られた文書’だと言ったそうだ。 いったい検察がどこまででっち上げをやろうとするのか理解できない」と主張した。 ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/624358.html 韓国語原文入力:2014/02/16 19:25
訳J.S(1972字)

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