韓国電力公社が慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)の超高圧送電塔建設工事を1日始めた。 去る5月29日に工事が中断されて4ヶ月ぶりであり、9月11日チョン・ホンウォン国務総理の密陽訪問と韓電の補償案発表以後20日ぶりだ。 検察と警察は工事妨害行為を厳しく処断すると明らかにしたが、送電塔建設に反対する住民たちは工事を阻むとして強力に反発した。
チョ・ファンイク韓電社長は1日午前、ソウル三成洞(サムソンドン)の韓電本社で記者会見を行い 「2日密陽(ミリャン)送電線路工事を再開する」と発表した。
だが、韓電は発表より一日早い1日朝6時30分頃、密陽市上東面(サンドンミョン)トゴク里、トゴク村、府北面(プブックミョン)位良(ウィヤン)里トバン村、府北面大項(テヒャン)里ピョンパッ村、丹場面(タンジャンミョン)泗淵(サヨル)里トンファジョン村、丹場面九千里(クチョンリ)パドゥリ村など3面5ヶ村に職員を投じ、足場作りなど工事準備作業を始めた。 韓電の施設保護要請を受けた慶南地方警察庁もこの日朝、工事現場周辺に警察力を配置した。 検察と警察は工事妨害や暴力行為に対して厳しく処断する方針を明らかにした。 密陽市は2日、行政代執行を通じて住民たちの座込み場を強制撤去する方針だ。
これに対し送電塔反対住民たちは「死を覚悟して工事を阻む」として反発している。 パドゥリ村では住民30人余りが工事現場に向かおうとしたが、警察と衝突し、府北面位良里泗淵里位良村の住民たちは命をかけても工事を阻むとして深い穴を掘り木の枝には首をくくる綱を設置した。 トバン・トンファジョン・パドゥリ村の住民90人余りは2日未明、韓電の重装備の進入を阻むために野宿をしながら町角を守っている。‘密陽(ミリャン)765kV送電塔反対対策委員会’のチョ・ソンジェ常任代表、キム・ジョンフェ丹場面トンファジョン村村対策委員長らは2日から韓電本社前で工事の中断を要求して無期限断食座り込みを行うことにした。 反対対策委から緊急救済申請を受けた国家人権委員会は1日夜、調査官10人を密陽に派遣し公権力による人権侵害有無を調査し始めた。
依然として多くの住民たちが反対しているにも関わらず韓電と密陽市・検察・警察などが一斉に乗り出し工事を強行しようとするのは、去る5月28日に朴槿恵大統領が閣僚会議で「始まってすでに7~8年にもなるのに、今まで何をしていたのかと言われる」として叱責したことに伴うものという分析が支配的だ。 当時、朴大統領は「長次官など公職者が常に現場を訪問しなさい」と注文もした。
以後、産業通商資源部長官・次官が相次ぎ密陽を訪問し、韓電社長は夏期休暇を密陽(ミリャン)で過ごし住民たちに会った。 去る11日には国務総理までが密陽を訪問して数百億ウォン台の補償案を提示した。
だが、送電線通過予定地域住民の3分の2以上は依然として送電塔建設に反対し補償を拒否している。 韓電が住民たちを相手に起こした工事妨害禁止仮処分申請の結果もまだ出ていない。
韓電は 「来年夏、新古里(シンゴリ)原子力発電所3・4号機の電力を安定的に供給するには、工事をこれ以上遅らせることはできない。 住民の安全を最優先にして最大限衝突を避けて速かに工事を進行する」と明らかにした。 しかし反対対策委は「原子力発電所不正のために新古里原子力発電所3号機の竣工時期が1年以上遅れることになった。 政府と韓電は工事を中断し、この問題を公論化して地域住民と国民の意思を集約することを望む」と要求した。
密陽/チェ・サンウォン、ソ・ヨンジ記者、ファン・ボヨン記者 csw@hani.co.kr