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[社説] 離散家族対面、‘非難’より‘現実的解決策’を

登録:2013-09-24 08:20 修正:2013-09-25 06:48

 25~30日に金剛山(クムガンサン)で開く予定だった離散家族対面が事実上、棚上げになった。北側が21日に突然延期を宣言したためだ。これに伴い、わが政府は22日、対面予定場所である金剛山観光地区に先乗りして対面行事を準備していた13人と施設点検チーム62人を全員撤収させた。虚しいことだ。特に秋夕(中秋の名節)の連休の間、肉親との対面を待ち望んで眠ることもできなかったお年寄りの離散家族たちのことを思うと胸が詰まってやりきれない。

 北の対南機構である祖国平和統一委員会(祖平統)は前日に続き22日にも離散家族対面と金剛山会談延期は“傀儡徒党の極悪な同族対決策動の産物で、その責任は全面的に南朝鮮保守輩党にある”とわが方に責任を転嫁した。開城(ケソン)工業団地の再稼働問題も順調に解決して、太極旗を前面にかざしたわが国の重量挙げ選手団が平壌(ピョンヤン)で自由に競技をする宥和の雰囲気の中で出てきた北の突拍子もない横暴に戸惑うばかりだ。今回の北の離散家族対面延期措置は理屈も道理もなく、南の世論の支持を受けることも難しい。政府与党はもちろん野党まで全て異口同音に北の突然の行動を非難したことだけからでも分かる。

 それでもわが政府は北を非難するだけに留まっていてはならない。北の隠れた意図を正確に把握して、延期になった離散家族対面を一日も早く再び成功させられるように最大限の努力をしなければならない。離散家族問題はこれ以上南北間の綱引きや論争のネタにしていられない喫緊な人道問題だ。大韓赤十字社によると、今後20年も過ぎれば離散家族1世は全員亡くなると予測されるという。現在存命の離散家族再会申請者は7万2000人余りで、毎年4000人程度が亡くなっている実情だ。

 わが方が離散家族問題を最も緊急で重要な人道問題として提起するとしても、北がこの問題を他の懸案と連係させようとしている現実を無視することもできない。この問題はわが方の意志と原則だけでなく、相手の協力を得てこそ解決できる問題であるためだ。金剛山観光の再開も北が離散家族問題と連係する事案の一つでもある。北のこのような戦略は、祖平統が6月6日のスポークスマン特別談話文を通じて朴槿恵政府になって最初の南北対話提案を行い“開城工業地区正常化と金剛山観光再開のための南北当局間の会談”を提案したことからもうかがい知れる。政府が離散家族問題を最優先視するならば、原則論を踏み越えて、北が望むものと引き換えにするような現実的な方法も積極的に模索してみる必要がある。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/604177.html 韓国語原文入力:2013/09/23 10:50
訳T.W(1180字)

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