87年6・29宣言 実務会議出席など
5共和国 国政介入も疑惑を後押し
国税庁、納税資料分析作業に突入
全斗煥(チョン・ドゥファン)前大統領の長男チョン・ジェグク(54)氏の財産を父親の秘密資金と関連付けることは不当な‘連座制’ではない。 ジェグク氏の‘超現実的な’財産形成過程、1980年代末の国政介入、秘密資金を小遣いのように受け取った妹のヒョソン(51)氏の事例など、合理的な根拠がある。
チョン・ジェグク氏は明らかになっている資産を保守的に算定しても最低600億ウォン台の資産家だ。 チョン氏は時空社を買収前に職場生活をした経験がない。 全前大統領からどの程度の財産を受け継いだのか、公式に明らかにしたこともない。 当時32才のジェグク氏は友人らと共同投資形式で出版社‘時空社’を買収し経営者になった。 ジェグク氏は‘1000万ウォン’だけを投資した。
ジェグク氏は現在、時空社持分50.53%とブックプラス持分64.5%を持っている。 昨年の監査報告書を見れば、二つの会社の資産価値合計は647億ウォンなので、持分率で計算しても376億ウォンの資産がジェグク氏の持分だ。 不動産資産も多い。 ソウル鍾路区(チョンノグ)平倉洞(ピョンチャンドン)の土地945㎡を含め京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)市炭県面(タニョンミョン)法興里(ポプンニ)アティヌス建物と土地、瑞草洞(ソチョドン)の複数の土地と建物などを所有している。 公示地価を全て合わせれば138億ウォンに達するが、実取引価額が公示地価の2倍以上である点を考慮すればジェグク氏の不動産資産は200億ウォン台を軽く超えるものと見られる。 これら資産だけ合わせても、少なくとも600億ウォン以上だ。 次男ジェヨン氏、娘ヒョソン氏と彼らの子供の資産まで合わせれば、全前大統領直系家族の資産規模は数千億ウォン台と推定される。
ジェグク氏が他の土地を名義信託で所有している可能性も高い。1988年第5共和国聴聞会の時、全前大統領の夫人イ・スンジャ氏の所有疑惑が提起された京畿道(キョンギド)安養市(アンヤンシ)冠陽洞(クァンヤンドン)の土地が全前大統領の義理兄弟イ・チャンソク氏を経て娘のヒョソン氏に贈与された事実が昨年<ハンギョレ21>報道で一歩遅れて明らかになりもした。
ヒョソン氏が父親の秘密資金の一部を小遣い名目で受け取っていた事実も新たに注目されている。 <京郷新聞>1996年4月16日付によれば、全前大統領は1992年8月延禧洞(ヨニドン)の自宅で秘密資金の中から額面価1億ウォンの長期信用債券23億ウォンを‘小遣い’名目で娘ヒョソン氏に渡した事実を認めた。 全前大統領は 「娘が一人しかいないのに、大統領府にいる時に何もして上げられず申し訳ない思いからそのようにした」と話した。 イ・スンジャ氏は夫の追徴金とは異なる子供の財産は別個であり、これを関連づけるのは‘連座制’と主張してきた。 ヒョソン氏が受け取った23億ウォンは少なくともこのような抗弁と関係がない。
ジェグク氏が第5共和国の国政に不法介入してきた点も彼が秘密資金管理者という疑惑の間接証拠だ。 全前大統領と秘書官・長官らの会議を逐一記録した<全斗煥肉声証言>(キム・ソンイク著・朝鮮日報社)を見れば、1987年全前大統領の任期末、28才のジェグク氏は公式職責なしで大統領府秘書官に会い国政に介入した。 <東亜日報>解職記者出身で1983~88年大統領府公報秘書官などを務めたキム・ソンイク氏は、1987年6月大統領府で6・29宣言実務会議が4度開かれる時、 「詰めの会合(6月27日)には全大統領の長男(ジェグク)が同席した」と記録した。 それに先立って1987年4月全前大統領が民主化を受け入れないという4・13護憲措置を発表する前にも、当時米国留学生だった20代のジェグク氏は米国で父親に△憲法問題談話必要性△後継者は盧泰愚前大統領が良いという意見など政治戦略を書いた手紙を送りもした。
チョン・ジェグク氏が租税回避処にペーパーカンパニーを設立して全斗煥前大統領の秘密資金を流し込んだのではないかという疑惑と関連して、国税庁はジェグク氏個人と家族、時空社など彼が率いている会社の納税資料を分析する作業に入った。 国税庁関係者は「典型的な域外脱税疑惑が濃厚だ。 重大で明白な脱税疑惑が提起されれば税務調査をしなければならないほどの検証が必要な事案だ」と話した。 検察も「<ニュース打破>報道内容の真偽、実体などを検討する予定」と明らかにした。 これに対してジェグク氏は「国内財産を外国に搬出した事実もなく、現在外国に保有中の金融資産は全くない」と主張して「関係機関の調査があれば誠実に応じる」と明らかにした。
コ・ナム、チョン・ファンボン記者、パク・スンビン先任記者 dokko@hani.co.kr