‘大統領府報道官セクハラ疑惑’という前代未聞の事態を迎えた大統領府は10日沈黙を続けた。 だが、恐慌状態とも言える当惑気流は隠せなかった。
朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米に随行したイ・ナムギ広報首席がロサンゼルスでブリーフィングを開いて、ユン・チャンジュン スポークスマンを解任したと明らかにした以後、大統領府は沈黙で一貫した。 ホ・テヨル秘書室長が主宰した首席秘書官会議をはじめ大統領府参謀らは会議を繰り返し、民政首席室は帰国したユン スポークスマンを調査したが事件と解任の背景に関する説明は出さなかった。 大統領職引継ぎ委員会当時チェ・テソク前引継委員が任命され六日後に突然辞退した理由を説明せずに口を閉ざしたのと同じ姿だ。
大統領府の雰囲気は一日中落ち着かなかった。 事件自体があまりにも衝撃的なために「まさかそこまでしたか。 事実関係から確認するのが先」と話す人々も少なくなかった。 一方では、そうでなくても政府が遅れてスタートしたために正常に稼動してからいくらも経っておらず‘前途’が多難なのに、思いもしなかった‘ユン・チャンジュン スキャンダル’に足をとられることになった状況を憂慮しているということだ。 ユン スポークスマンのセクハラ疑惑はブラックホールのようにすべてのイシューを飲み込む可能性もある。 訪米成果をよく知らせ北韓発の韓半島危機以後に上昇気流に乗り始めた朴大統領の支持率を安定的に引き上げ、来月の中国訪問など周辺国との協力を強化して安保危機を管理しようとしていた日程などが全て支障をきたしかねない状況だ。
大統領府では今直ちに出しうる明確な対策がないという点も苦しい。 自主的な真相究明と対国民謝罪などをしても、すでに汚物をかぶってしまった大統領府の名誉を短時間に回復させることは難しい境遇になったためだ。
チョ・ヘジョン記者 zesty@hani.co.kr