パク・ウォンスン ソウル市長がソウル中区(チュング)大漢門(テハンムン)前の双龍自動車解雇者座り込み場を撤去して花壇を設置した中区庁を迂回的に批判した。
パク市長は5日夜 自分のフェイスブックに「家の前の木蓮がこっそり顔をのぞかせ笑いかけてきた一昨日、残念なニュースを聞いた。 春がぐっと近づいてきたというのに、昨日今日ずうっと私の心は再び冬に戻ったような感じだ」として、座り込み場撤去の便りに遺憾の意を表わした。
さらに「双龍自動車解雇労働者の冬はいつ終わるのだろうか」として「人生の崖っぷちに立っているこの人たちをこれ以上放置することはできない」と言った。
パク市長は双龍自動車解雇労働者問題に対する社会的関心を促した。 パク市長は「すでに22人という掛け替えのない命が私たちの傍らから去っていった。 これ以上の悲劇があってはならない。 これ以上遅くならないうちに私たちの社会が彼らの絶叫に耳を傾けなければならない」と強調した。 与野党は2009年の双龍自動車整理解雇過程の不法性の有無を調査するための国政調査実施を巡って論議してきたが、大統領選挙以後これといった進展がない状態だ。
パク市長はまた「双龍車解雇労働者の涙が乾いていないその場所に、花が咲いたという。 しかし私たちには人が花よりも美しくなければならないのではないか。 物思いに沈む夜に」として中区庁を迂回的に批判した。
大漢門前の座り込み場はソウル市庁近隣にあるが、法的管理権限は中区庁にある。 今回のフェイスブックの文は、座り込み団と中区庁との間で仲裁の役割を果たせなかったパク市長の残念な気持ちが盛られているものと解釈されている。
一方、<双龍自動車犠牲者追慕および解雇者復職汎国民対策委員会>は5日午前、大統領府近隣のソウル鐘路区(チョンノグ)清雲洞(チョンウンドン)住民センター前で記者会見を行なって座り込み場の撤去と市民連行過程の不当さを指摘した。
記者会見に参加したクォン・ヨングク弁護士(民主社会のための弁護士会労働委員長)は「中区庁が撤去警告状もなしで撤去に出た。 中区庁が去る2月に提示した警告状は、すでに火災で燃えてなくなったテント3棟に関連したものだった。 新しく設置したテント一棟に対しては新たに警告状を発行すべきだった」と主張した。
クォン弁護士はまた、中区庁が撤去した焼香所は適法な集会申告物品なので焼香所撤去は集会妨害行為に該当すると主張した。 彼は「大漢門の前は南大門(ナムデムン)警察署に集会申告がされていて焼香所一棟は集会用品として警察に申告された物品だ。 中区庁の行政代執行は行政代執行法2条により『その不履行を放置することが甚だしく公益を害すると認められる時』にのみ行なわれなければならない」と指摘した。
昨年大漢門前の集会申告を差し戻した南大門警察署を相手に、全国金属労組双龍車支部はソウル行政裁判所に屋外集会禁止通告処分の執行停止申請を出した。 裁判所は昨年11月「この集会により公共の安寧秩序に対する直接的な脅威が明白に存在するとは見難い」という判決を下した。 クォン弁護士は「裁判所も大漢門前の集会が公益を害しないという判決を下しているのに、合法的な集会申告物品である焼香所を撤去したのは明白な職権乱用だ」と主張した。
また、4日の大漢門前の焼香所撤去過程で抗議する市民45人が警察に大量連行されたことと関連してクォン弁護士は「刑法136条(公務執行妨害)は『職務を執行する公務員に対し暴行または脅迫した者は5年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処する』と明示しているが、警察は単に抗議しているだけの市民まで無差別に連行した」として警察を批判した。
一方、中区庁は「当初の警告状に明示された撤去対象が座り込み地域にある施設一切なので、新たに立てたテントも含まれる」と明らかにした。 チェ・ソンヨン南大門警察署警備課長は「公務を執行する公務員を体で押したり威嚇する市民だけを連行した。全て採証ができている」と話した。大漢門前の焼香所撤去に抗議する市民はこの日の夜、大漢門天主教正義具現司祭団と共に平和ミサを開いてろうそく集会を行なった。
ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr