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‘我が民族どうし’単純加入者に保安法適用は困難

登録:2013-04-05 22:11 修正:2013-04-06 08:27
北韓の対南宣伝サイト'反帝民族民主戦線'のメイン画面に猪八戒に合成された金正恩 北韓労働党第1秘書を100万ドルで懸賞手配する写真が懸かっている。

不法資料に基づいた捜査は困難
サーバーも中国にあり押収不能
"加入だけでは保安法違反 断定できず
オフラインでの行為があって初めて処罰可能"

 警察がハッキングにより流出した北韓の対南宣伝用ホームページ‘我が民族どうし’会員名簿について、利敵性の有無を把握するための内偵に出るや、当事者たちが強く反発している。 誰もがこのホームページに自由に接続できた当時に会員加入がなされたもので、その動機も研究目的や単純な好奇心などと多様なのに、それに利敵疑惑を着せることは‘公安追い込み’ということだ。 このホームページは2003年4月に開設され、2004年11月頃に国内からは接続できないよう遮断された。 法理上このホームページへの加入行為を国家保安法違反では処罰するのは無理という指摘も出ている。

 警察庁保安課は5日「インターネットを通じて確保した会員名簿中の人物が実在人物と同一人か、該当サイトに加入した事実があるかなどを確認する予定」と明らかにした。 国際ハッカー組織‘アノニマス’が4日に公開した'我が民族どうし'会員9001人の名簿を見れば、約2000人がダウムやネイバーなど国内ポータル業者が提供する電子メール アドレスで加入しており、三星(サムスン)やLGなどの大企業と報道機関の電子メール アカウントで加入した会員もいる。 一部のネチズンは会員名簿に出てくる電子メールなどを検索し、当事者の実名と所属を公開して‘利敵行為者’に追い詰めている。 そこには報道機関記者と全教組・民主労総関係者などが含まれている。

 当事者たちはこういう烙印を捺す行為と警察の内偵着手の便りに不快な反応を示した。 南北問題の専門家K氏は「会員加入の有無は記憶に無いが、私が南北問題を研究して20年を過ぎた。 北韓サイトを覗いて見るのは当然にしなければならないことなのに、理念の定規で裁とうとするとは堪え難い」と話した。 労働界に従事するN氏は「初期には‘我が民族どうし’サイトに誰でも接続できた。 不法ハッキングされた当時の加入記録を持って警察が内偵することが望ましいことか疑問だ。 むしろ不法ハッキングと人権侵害行為を捜査することが正しいのではないか」と抗弁した。 民主労総関係者は 「資料の真偽も不確かなだけでなく、サイトに加入した目的が様々であるはずなのに、そのサイトに加入したことがスパイ活動をしたということを意味しないではないか。 別に気にしない」と話した。

警察がハッキングされた会員名簿を端緒として、突然に内偵に着手したものの捜査は容易でない展望だ。

 まず1次的な資料確保に限界がある。 不法収集された会員名簿が捜査の端緒にはなるものの、証拠能力を認められないために本格的な捜査のためには合法的手続きを通じて会員名簿を確保しなければならない。 わが国の捜査機関が‘我が民族どうし’サーバーと本社などに対する追加押収捜索をしなければならないという話だ。 だが‘我が民族どうし’のサーバーと本社は、わが国の捜査権が及ばない中国にある。

 法理適用も容易ではない。 単に対南宣伝用ホームページに会員加入し、内容を閲覧したという事実だけでは国家保安法違反に該当すると断定できないためだ。 ホームページに上がった文をダウンロードし所持したり外部に流布するなどの目的性を持って具体的な利敵活動をした事実が確認されてこそ疑惑適用が可能だ。

 さらに根本的には‘我が民族どうし’ホームページが利敵団体の性格を備えているかも検討対象だ。 検察関係者は 「利敵団体の構成や加入を処罰するには‘オフライン’での行為がなされ、利敵団体に自身のの綱領と規約があるかなどを調べなければならない」として「現在ではインターネット サイトである‘我が民族どうし’を利敵団体と見ることは難しそうだ」と話した。 警察捜査チーム関係者も「法理検討だけでも相当な時間が必要になりそうだ」と話した。

パク・ヒョンチョル、キム・ジョンピル、オム・ジウォン記者 fkcool@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/581540.html 韓国語原文入力:2013/04/05 21:22
訳J.S(1947字)

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