チャベス運柩に数十万の赤い行列"私たちの永遠の最高司令官" 追慕
大型電光掲示板に映った画面の中から声は大きく響いた。 癌闘病で坊主頭で明るく笑う彼の姿が映った。 再び支持者が泣いた。 「死んでもベネズエラ人の胸の中に永遠に残る。」 追悼式の進行者の声は震えた。 「ヌエストロ コマンダンテ(私たちの最高司令官)」「ヌエストロ コマンダンテ」。支持者たちが叫んだ。 そのようにして、ベネズエラはウゴ・チャベス大統領を永遠に送るに先立ち追悼式を行なった。
チリからパナマを経て9時間余りで到着したベネズエラの首都カラカス。 6日午後(現地時間)軍事学校前のインデペンデンシア通りから急いで駆けつけた。 雪崩れ現象であふれる赤い服と帽子、旗の行列が一方からあらわれた。 青年たちと子供の手を握った夫婦、60～70代が入り乱れていた。 何人かはベネズエラ国旗を背中にまとっていた。 通りではバイクの警笛音が耳を刺した。 バイクの後に乗った同僚は旗を振った。 片側には軍人と警察官が警備に立っていた。
遠く軍事学校前の大型弔旗がはためいた。 遺体は軍事学校内に移された後だった。 この日午前、国軍病院を出たチャベスの遺体は数十万人の支持者行列と共に午後5時頃、軍事学校に到着した。 軍事学校内に入れなかった数千名は外でぼうぜんと電光掲示板を見守っていた。
運柩に同行した彼らには論争の対象であるチャベスが "永遠の最高司令官" だった。 "真の指導者を失ったことがとても悲しい。" (ホセ タバラ、35) "抑圧された私たちのために生きた唯一の大統領です。" (アナ ガヤルド、63) "南米独立英雄シモン ボリバル以来初めての21世紀の解放者でした。" (ハミロ ピエガス、37)。そして多くの支持者らはチャベスがボリバルの遺体が埋められたパンテオン ナシオナルに一緒に安置されなければならないと話した。
チャベスが憲法を直し４選されたが、独裁者という批判には声を荒げた。 「独裁者を国民がどうして４回も大統領に選びますか？」(ホセ タバラ) 「独裁者ではなく神が送った指導者です。 本当に独裁者なら、このように多くの人が追慕に集まりますか？」(リカルド コデプロイ、33) 「最も貧しい者に必要な恩恵を与えるのに、反対勢力は独裁と非難しました。」(マルチン ピエガス、38)
TVでは夜遅くまで三色国旗に覆われたチャベスの棺と赤い追慕行列、チャベスの生前の姿が流れ続いた。 支持者らは号泣し、互いに抱き合って嗚咽した。
2010年<ハンギョレ>記者として南米独立200年をむかえて取材したカラカス通りにはボリバルの肖像があふれていた。 チャベスはそのように第2のボリバルを夢見たが、3年ぶりに訪れたそこで彼は棺の中に横たわり、ボリバルのように‘すべての’国民の英雄ではなかった。
悲しみにあふれる追悼式場やTV画面とはまた別の現実がカラカスにはある。 信号に引っかかった自動車の前では、ある青年がこん棒妙技を披露し、コインを受け取るために手を差し出した。 「外国から記者たちがたくさん来てホテルの部屋がない」と空港案内所で聞いたが、難なくWi-Fiのある部屋をとった。 タクシー運転手は公式為替レートより2倍で計算するからとして、両替所の代わりに自身と米国ドルを変えればどれほど有利か夢中になって数字をならべた。 チャベスについて尋ねると「癌にかかって死を毎日待っていたじゃないですか。 金持ちのものを奪って、金の無い人にただであげてもいいんですか? 犯罪のために生活がどれほど不安なのか…」と答えただけだ。 ある70代の老人は 「政治には関心がない」と話した。 スペイン語版CNNチャンネルではチャベスの執権期間中に10倍に騰がった原油高のおかげをこうむったという報道を送りだした後、専門家たちの論争が続いた。 シモン ボリバル国際空港には装甲車も重武装した軍人も見られなかった。 代わりに‘2013世界野球選手権大会’大型垂れ幕が天井高く掲げられていた。 その横にチャベス大統領が子供たちと共に明るく笑っているポスターが掲げられていた。「共に続けよう」と。
この日の追悼式にはエボ・モラレス ボリビア大統領、ホセ ムヒカ ウルグアイ大統領らが参加した。 チャベスの葬儀は8日に周辺国弔問団たちが参加した中で軍事学校で行われる。
カラカス/キム・スンベ通信員、チリ大博士課程 otromundo79＠gmail.com
訳J.S(2103字)