本文に移動

3年7ヶ月ぶりに再び着た双龍(サンヨン)車作業服… "今度は解雇者の番"

登録:2013-03-05 21:48 修正:2013-03-05 22:57
双龍(サンヨン)車無給休職者らは復職したが…キム・ジョンウ全国金属労働組合双龍自動車支部長が5日午前、京畿道(キョンギド)平沢市(ピョンテクシ)七槐洞(チルゲドン)の双龍車工場入口で無給休職者の復帰を喜ぶ記者会見を終えた後、鉄門の前に立って3年7ヶ月ぶりに仕事場に戻る同僚たちの後ろ姿を眺めている。 この日、双龍車工場に復帰した労働者は、無給休職者と懲戒解雇勝訴者、懲戒停職者など計489人だ。 平沢/パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

正門では解雇者たちが復職者に会い
活気に満ちる出勤途中 申し訳ない思いが交錯

"新入社員の時を思い出します。ときめく心に恐れも混じり…"

 5日朝7時40分頃、京畿道(キョンギド)平沢市(ピョンテクシ)七槐洞(チルゲドン)の双龍(サンヨン)自動車平沢(ピョンテク)工場正門前で双龍車解雇者キム・某(45)氏は「復帰の便りに妻が一番喜んだよ」として喉を詰まらせた。 解雇対象ではなかったが「同僚が切られているのに…」と言ってストライキに飛び込んだ彼が、双龍車のロゴが鮮かな上衣を再び着るまでに3年7ヶ月の歳月が流れた。

 この日工場に復帰した双龍車労働者は無給休職者454人と懲戒解雇勝訴者12人、懲戒停職者23人など計489人だ。去る1月10日、双龍車が無給休職者を復職させると明らかにしたことに伴うものだ。 双龍車が経営上の理由を挙げて総人員の36%にあたる2646人の大規模人員縮小に乗り出し、77日間の‘玉砕ストライキ’で対抗して工場から追い出された労働者たちが初めて復職する工場の前は活気に満ちていた。

 2009年8月6日‘戦争のようなストライキ’を終えて、彼らが涙を流しながら出た工場前の路上には、全国金属労働組合双龍車支部が掲げた 「4年間の待機。出勤おめでとうございます」という横断幕が懸けられていた。 双龍車解雇労働者らと市民社会団体会員など60人余りは正門前で記者会見を行い「無給者同志たちの復帰で双龍車工場に活力と活気があふれるよう願う」と明らかにした。

 だが、ストライキ77日間の対立が産んだ労-労間の傷、労使の賃金訴訟、数百億ウォン台の仮差押さえ、解雇者問題はいまだ解決していない。

 無給休職者であるチェ・某(41)氏は「当時、労組がストライキを終わらせる条件として命のように守った会社側の‘無給休職者1年後復職’の約束が、これほど長引くとは思わなかった」と打ち明けた。 双龍車出身と言えば就職もできず、肉体労働など10種余りの汚れ仕事をした彼は「一日一日が血を凍らせるような時間だった。 復帰するというが会社を去った時の殺伐たる工場内の同僚たちと共にどのようになるのかを思えば恐ろしい。 それでも4年も持ちこたえたので、我慢しなければならないですね」と話した。 また別の無給休職者イ・某(38)氏は「国政調査を避けようとしている会社側の免避性復職ではないかという疑いもある。 原職復職でもなく解雇者たちを残して先に復職して申し訳ない気持ち」としつつ複雑で息苦しい心情を吐露した。

 正門前で復帰者たちとうれしく抱擁したキム・ジョンウ双龍車支部長の目じりにも涙が溜まった。 キム支部長は「資本と権力が与えた痛みと傷が癒せるようにしてほしい」と訴えた。 彼は「会計操作と計画不渡りの真相が明らかになってこそ再び双龍車のような惨劇がなくなる」として国政調査を繰り返し要求した。

 復帰者らは今後8週間にわたり職務および労使文化教育などを受け現場に再配置される。 会社側はストライキ当時の2009年の年間販売量3万5000台余りから今年は15万台余りを目標にしている。 会社側は 「韓進重工業のように復職させて仕事がなく休業する前轍を踏みはしない」と明らかにした。 双龍車クァク・ヨンソプ広報チーム長は「平沢工場職員が一日11時間の勤務時間中、残業3時間を減らすなど働き口を分け合う協議を労使が行っている」と話した。

 平沢で、またソウル大漢門前の座込み場で双龍車事態を知らせてきたイ・チャングン金属労組双龍車支部企画室長は言った。 「今日から双龍車にはもはや無給者はいません。」

 しかし工場の外には依然として15万4000ボルトの高圧送電塔で100日を超えて籠城中のハン・サンギュン前支部長をはじめとして、復職の日を指折り数えている200人余りの解雇労働者たちがいる。

 平沢非正規労働センター ナム・ジョンス所長は「無給者の復帰は大きく見て整理解雇者の1段階復帰だ。今度は残った解雇者たちの原職復職のための一括的突破口を探す協議体の構成を通じて労使共存の道を用意しよう」と語った。

平沢/ホン・ヨンドク記者 ydhong@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/576678.html 韓国語原文入力:2013/03/05 19:38
訳J.S(2144字)

関連記事