朴槿恵(パク・クネ)大統領が1日、過去の歴史と関連した韓-日関係を 「加害者と被害者」関係と規定し、日本の結者解之(訳注:結んだものが解かねばならない)を促した。 歴代大統領の就任初年度の3・1記念日記念演説に比べて、基調が原則的であり強硬だという評価が多い。
朴大統領はソウルの世宗文化会館で開かれた3・1記念日記念式で「加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わることはできない」と話した。 また、朴大統領は「日本が私たちとパートナーになって21世紀東アジア時代を共に導いていくためには歴史を正しく直視し責任を負う姿勢を持たなければならない」と要求した。 日本が強制慰安婦と独島問題などを放置するならば、韓-日関係の改善は難しいという点を指摘したのだ。
李明博前大統領は5年前、就任初年度の3・1記念日記念演説で「いつまでも過去にしばられ未来の関係まであきらめていることはできない」として‘未来指向的関係’を強調した。 盧武鉉前大統領と金大中前大統領は目につくほどの対日メッセージを出さなかった。
朴大統領の今回の対日メッセージは、最近の韓-日過去事葛藤に影響されたものと見られる。 「強制慰安婦はない」と話してきた安倍晋三総理が昨年12月に就任するなど、日本で右傾化の旋風が激しいことと関係がなくはない。 安倍内閣は韓国の抗議を尻目に2月22日竹島の日行事に次官補級要人を派遣した。 朴大統領が沈黙したり宥和メッセージを送ることは難しい状況だ。 岸田文雄 日本外相は朴大統領のメッセージに対して「韓-日間には難しい問題が存在するが、未来指向的に重層的な関係を構築する努力をしていく」と避けた。
朴大統領が昨年の大統領選挙で父親 朴正熙前大統領の親日論難で苦労したので、日本に対して一層厳格だったのではないかという観測も出ている。 日本の報道機関のあるソウル特派員は「この前、安倍総理が米国に行って‘自分の外祖父(岸信介 前総理)と朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親が親しい間柄’と話したことは、韓国人の情緒を考える時 決して朴大統領に良い話ではないということをよく理解できない日本人たちが多い」と話した。
日本に対するこのような態度は最近朴大統領が比較的中国に友好的なメッセージを送っていることと比較される。 新政府が周辺国との戦略的関係設定を再調整しようとしているのではないかという観測が出てくる。 朴大統領は去る1月、当選人特使を中国に最初に送った。 また、25日の就任辞では周辺国に言及しながら中国を日本より先に挙論した。 朴大統領が指名したユン・ビョンセ外交部長官候補者は、最近国会人事聴聞会書面回答で外交の優先順位を "米国、中国、日本、ロシアの順" という趣旨で答えた。 韓-日関係を優先視してきた過去とは大きく変わったわけだ。 中国が急激に浮上して韓半島情勢に大きな影響を及ぼしている現実と、李明博政府で韓-中関係が過度に悪化した点などを考慮した歩みと見える。
新政府の対日政策の去就はもう少し見守らなければならないようだ。 韓国と日本は共に両国関係の梗塞が長期化することは負担になるためだ。 チン・チャンス世宗研究所日本研究センター長は 「過去の歴史に対する日本の結者解之(訳注:結んだものが解かなければならない)を強調しつつも、慰安婦や独島など具体事案を挙論しなかったのは、日本の態度を見ながら慎重に接近するということのようだ。 5月に予想される韓-日首脳会談、7月の日本参議院選挙結果により新しいムードが用意され可能性がある」と語った。
朴大統領は北韓に対して再度核の放棄と変化を促した。 朴大統領は「北韓が正しい選択をしなければならない。 核開発と挑発では何も得ることはできない」と話した。 また「北韓が正しい選択で変化の道を歩こうと思うならば、より一層柔軟に接近する」として韓半島信頼プロセスを強調した。 パク・ビョンス先任記者 suh@hani.co.kr