有害化学物質漏出事故が相次ぐ中で自宅周辺の産業施設を眺める住民たちの不安感も高まっている。 住民の接近が遮断された塀の中には外部に流出されれば自分たちまで危険に陥る有害化学物質が扱われているかも知れないという恐れのためだ。 このような場合、環境部の‘化学物質排出・移動量情報システム(PRTR)’を訪ねてみることをお勧めする。 不十分だが条件さえ合えば基本的な気がかりは解消されるかもしれないからだ。
国立環境科学院が管理するPRTRウェブサイト(http://ncis.nier.go.kr/prtr/)に入れば誰でも排出・移動量情報調査対象である415種類の化学物質を取り扱い(製造・保管・使用・処理)する事業場を確認できる。 国内で流通する化学物質が1万種余り以上である点を考慮すれば、調査対象物質の種類は大変少なく見える。 だが、最近相次いで事故を起こしたフッ化水素のように漏れ出た場合に人間の健康と環境に特に大きな威嚇要因になる物質はほとんど含まれている。
PRTRウェブサイトの‘排出・移動量情報’メニューでは調査対象事業場が毎年事業場の垣根の外へ飛び立たせたり流している主な有害化学物質の量をキログラム単位まで知らせている。 有害物質の取り扱い量までは分からないが、取り扱う有害物質の種類を確認でき、該当事業場が住民の健康と環境にどれくらいの脅威となっているかを推し量ることはできる。
最近、三星(サムスン)電子華城(ファソン)工場のフッ酸漏出事故を契機に自宅近隣の器興(キフン)工場でどんな有害化学物質を取り扱ているかが気になった住民がいるならば、このウェブサイトの排出移動量情報メニューから‘業者別’を選択した後‘三星(サムスン)電子’と入力して検索すれば良い。 すると器興(キフン)工場を含む三星電子の排出・移動量調査対象9事業場名と事業場別有害化学物質排出総量が現れる。
このページで器興工場をクリックすれば、この工場の有害化学物質別排出量に対する詳細情報が浮かび上がる。 このページによれば器興工場は2010年にフッ化水素、塩化水素、塩素など21種の主要有害化学物質を使い、71.5tほどを大気中に飛散させた。 フッ化水素の排出量は約6.7tで、華城工場の同年度の排出量5.9tより多少多い。 このサイトで公開されている排出量データは、企業自らオンラインプログラムを通じて報告したものを国立環境科学院が検証し確定したものだ。
有害化学物質の名前のそばにあるグラフ形アイコンをクリックすれば、最近10年間の該当有害化学物質の排出量変化も確認できる。 これは該当事業場が工程改善と相対的に親環境的である代替物質使用を通じて有害化学物質の排出を減らすためにどれくらい努力してきたかを判断する資料になりうる。
排出・移動量調査は従業員が30人以上である事業場だけを対象にしているという点に限界がある。 これに伴い、実際の排出・移動量情報調査が成される事業場数は3000余り内外に過ぎない。 国立環境科学院イ・サンモク事務官は「調査対象業者数は多くないが、これらが取り扱う化学物質量を見れば全体の80%に達する。 2014年から調査対象事業場の従業員基準が10人まで下がれば90%以上が含まれるだろう」と語った。
キム・ジョンス先任記者 jsk21@hani.co.kr