今月25日朴槿恵(パク・クネ)政府のスタートに合わせて朴正熙前大統領の経済開発業績を広報する演劇が韓国文化芸術委員会傘下の韓国公演芸術センターが運営する公立劇場で公演される予定であり論議がおきている。
民衆劇団は今月14日から朴槿恵当選人の大統領就任式前日の24日までソウル大学路(テハンノ)のアルコ芸術劇場小劇場で演劇<漢江の奇跡-朴正熙とイ・ビョンチョルとチョン・ジュヨン>を公演すると31日明らかにした。 アルコ芸術劇場は文化体育観光部の傘下機関である韓国文化芸術委員会の指揮・監督を受けて韓国公演芸術センターが運営する劇場だ。
<漢江の奇跡…>は・民衆劇団常任演出家であるチョン・ジンス(69)前成均館(ソンギュングァン)大教授が脚本を書き演出を務め、今回に先立って2011年5月にもソウル大学路のある民間小劇場で公演され演劇界で論議になった経緯がある。 当時チョン・ジンス演出家は「5・16の50周年になる2011年をむかえて朴正熙大統領執権18年間の業績を経済開発に焦点を合わせてその意味を再確認し、今日の現実に照らしてみようと思う」と製作意図を明らかにした。
民衆劇団側は「歪曲された歴史観を正し、国民に大韓民国現代史の正しい理解とともに堅実で進取的な国家観を植えつけ国民統合に寄与するために朴槿恵新政府のスタートに合わせて<漢江の奇跡>再公演を企画した」と明らかにした。 この劇団は2010年6月には李承晩前大統領を美化する演劇<6・25戦争と李承晩>を韓国文化芸術委員会が運営する大学路芸術劇場大劇場に上げたことがある。
公共機関である韓国公演芸術センターが<漢江の奇跡>公演に劇場を貸館したことに対して多くの演劇人は公共劇場の公信力を傷つける行為だと批判している。 民衆劇団はアルコ芸術劇場貸館過程で当初去る11月6日<氷商人 帰る>で承認を受けて、昨年12月18日と28日に2度にわたって作品を変更して貸館承認を受けたと発表された。
パク・チャンニョル ソウル演劇協会長は「国家が運営する公共劇場が国民感情に合わないのみならず論議の余地がある作品を、それも2度も作品変更を承認しながら貸館したとは理解し難い」と話した。 演劇演出家イ・ギョンソン氏も去る28日自身のフェイスブックに文を載せて「公信力を根幹とする公立劇場で5・16クーデターという軍事反乱を美化する演劇を堂々と公演するのは問題」と主張した。
これに対して韓国公演芸術センター関係者は「民衆劇団側から初めは<氷商人 帰る>で申請し、その後<植民地から来たアナーキスト>に‘作品変更’を申請してきたので内部審査を経て承認したが、数日後にまた<漢江の奇跡>に‘題名変更’を申請たので同じ作品だと思った」と釈明した。 この関係者は 「作品が変わったことをきちんと確認できなかったことは明確に誤りだった」としつつ「これからは貸館審査を厳格にする」と話した。 この演劇にはチョン・ハニョン(解説者役)氏とパク・キサン(朴正熙役),イ・ビョンスル(イ・ビョンチョル役),チョ・ヒョンゴン(チョン・ジュヨン役)氏らが出演する。
チョン・サンヨン記者 chung@hani.co.kr ,写真 民衆劇団提供