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[社説] 険しいナロ号(ロケット)の3度目の挑戦

登録:2012-11-29 22:30 修正:2012-11-30 05:36

 ナロ号の3度目の発射がまた打ち上げ直前に延期された。昨日午後カウントダウン直前にロケットの飛行方向を調節する装置に信号異常が発見されたためだ。韓国とロシアの研究陣約400人余りが午前中に最終の予行演習をした時は何の異常もなかったという。少しでも異常があれば発射を取りやめるのは当然だが、2回の発射の失敗に2回の発射延期をみた国民の気持は虚しくならざるをえない。寝食を忘れてナロ号発射にまい進してきた技術陣の苦労が無駄にならないよう完ぺきに準備して再発射に臨むことを望む。

 ナロ号の発射が順調でなく曲折を経ている理由は、ロシアとの技術共同開発が失敗に終わったことが大きい。2004年にロシアと宇宙技術協力協定を結んでフルニチェフ社と共同研究を始めた時には技術移転に対する期待が大きかった。しかしミサイル技術統制指針違反の論議がおきて技術移転が禁止された。それによって根幹的な技術である1段目の液体エンジンをロシアから持って来ざるをえなかった上、関連技術には接近さえできないなどの厳しい制約を受けた。共同開発が失敗に終わって両国の技術陣の協力が減り、その結果は2度の発射失敗となって現れた。このように成功の確率が下がったのは米国や日本など宇宙技術国が自国の先端技術保護のために韓国との協力を敬遠したために仕方のない側面がある。宇宙技術は先端技術の集約体であり、その根幹であるロケット技術の場合、先進国は他国への技術移転を厳しく統制している。

 ナロ号の発射に成功したとしてもこれは宇宙へ向けた第一歩を成功裏に踏み出すことに過ぎない。根幹的な技術である1段目のエンジンをロシアに全面的に依存しているためだ。だが宇宙関連市場に進出するための努力は続けなければならない。宇宙関連市場は昨年基準で2898億ドルで、年平均7%以上ずつ成長しているという。多様な産業活動にともなう人工衛星の需要も急増している。

 我々の衛星を我々が願う時期に発射するためにはロケット技術の確保が重要だ。我が国は2021年に韓国型ロケットの発射を目標に2010年からナロ号の3倍に及ぶ1兆5000余億ウォン規模の事業を推進している。アリラン衛星のような1.5t級の実用衛星を地球の低軌道(600~800km)に乗せる3段型の宇宙ロケットを国内技術で開発することが目標だ。ナロ号の発射経験を通じて得たロケット関連技術が韓国型ロケットの開発の礎になりえるよう発射の過程で現れた問題点などの点検に万全を期さなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/563032.html 韓国語原文入力:2012/11/29 19:08
訳T.W(1169字)

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