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[ルポ- 大漢門座り込み村 24時] 解雇だけでも佗びしいのに座込み場まで撤去だなんて… "暖炉は無理でも"

登録:2012-11-18 21:20 修正:2012-11-19 18:42
ソウル徳寿宮(トクスグン)大漢門前の双龍(サンヨン)自動車犠牲労働者の焼香所内で8日時点で断食40日目をむかえたキム・ジョンウ金属労組双龍(サンヨン)車支部長は長期間の断食のために冷たいテント内で横になって過ごしている。 キム支部長は10月10日双龍(サンヨン)車事態に対する国会国政調査が失敗に終わった直後から断食を始めた。 「整理解雇されて4年を超えて過ぎてから国会聴聞会で不法会計操作と‘企画倒産’の証拠が出てきました。 解雇者のための後続対策を用意するためにも国政調査で真実を一つ一つ明らかにしなければなりません。」民意を代弁する国会が立ち上がり双龍車事態の解決策を用意しろとの呼び掛けが受け入れられるまで穀物を自分のからだに入れないと彼は決心している。

もともとあった双龍(サンヨン)車テント1張りに
江汀(カンジョン)マウル…龍山(ヨンサン)テント1張り追加
市民たち・仏教界 昼夜 応援
"一度追い出された人々を二度までも…"
"借財意識で週末ごとに千拝祈願"

 初冬の北風が吹きすさいだ17日朝、ソウル市中区(チュング)大漢門前には落葉が大量に散っていた。 風雨に吹かれて無心に道行く人の足に踏まれた都心の落葉には生気がなかった。 何枚も冬服を重ね着した人々がその落葉を掻掃いていた。 双龍車解雇者、龍山惨事遺族、そして海軍基地建設に反対する済州(チェジュ)江亭マウル住民たちだった。

 初めて座り込みテントを張った去る4月末、大漢門前には花びらが舞っていた。 花が枯れて葉が落ちてもテントは227日を超して依然として立ち続けている。 最初は双龍車から解雇された後に亡くなった人々のための焼香所がここに整えられた。 焼香所を守ろうとする解雇者たちがその横にテントを設置した。

 "私たちだけでもここに居てあげたいのです。 大きな道路のそばなので騒音とホコリが激しくて夜も眠れません。 この頃はぐっと寒くなりましたし。 12才の上の子と9才の下の子が‘パパ、いつ帰ってくるの’と毎日電話してくるが、気持ちが挫けるかと思って家にも殆ど帰りません。」キム・ジョンウク(41)金属労組双龍車支部対外協力部長が落ち葉を掃く同僚を眺めながら話した。

 そのようにして持ちこたえてきた座込み場が撤去の危機を迎えた。 去る12日、龍山惨事真相究明を要求する集い、江汀マウル守りなどが共同でテント1張りを追加で立てた。 ‘共に生きよう座り込み村’という名前もついた。 すると保守言論がすぐに乗り出した。 道路上の不法施設を放置するソウル市などを批判した。 それに応えるようにソウル中区庁は、ここ‘座り込み村’に対する強制撤去方針を明らかにした。

 座込み場には横4.5m、縦2.5m大のテント3張りが立っている。これらのテントは大漢門の塀に沿って歩道の3分の1ほどを占めている。 座り込み団は「正当な手続きを通じて集会申告がなされたところにテントを設置し、テントもやはり集会物品として申告した」という立場だ。 だが、中区庁は「集会と示威に関する法律では適法かも知れないが、歩道に許可を受けていない施設を設置すれば道路法に違反する」と明らかにした。 相反する2つの法律をどのように適用するのが正しいかは依然として論議の的だ。 去る5月にも中区庁は南大門(ナムデムン)警察署とともに双龍車焼香所の撤去を試みたが、ソウル市の仲裁でテント設置を容認してきた。

 道路不法占有の罪を問い罰金を賦課し、続いて強制撤去が予想される中でもテントには全国の市民が送る声援が積もっている。 寝袋と毛布が山になるほど積みあげられた座り込みテントの中には市民が送った応援の手紙、携帯カイロ、強壮飲料などがあちこちに置かれている。 ‘夜が深いほど夜明けが明るくなりますが、今がその夜明けだと思います。 がんばってください’という文面が風に揺れるテントの壁に貼られている。

 座り込み村を訪れる市民の足も絶えなかった。「このテントなくすこと? 私も賛成だ。」座込み場を訪れたキム・パンス(74)氏が話した。 「先に加害者に責任を問い、それから被害者を救済して、一日も早くこのテントをなくしてくれ。」キム氏は座込み場前で‘双龍車問題解決のための100万人署名運動’を行っていた。 この運動を一緒にしているボランティアメンバーの年齢帯は多様だった。 「ここにはすでに追い出された人々が集まっているのに、再び追い出すとは非人間的な処置だと考えます。」大学生イ・スリ(23)氏が話した。

 午前11時からは‘双龍車問題解決のための10万拝祈祷’行事が始まった。 曹渓宗労働委員会が始めたこの行事は自発的参加者が毎日1000拝ずつ100日間祈祷し双龍車問題の解決を祈る。「借財意識で週末ごとに上京し1000拝して帰ります。ここの座り込み村は疎外された者が享受する最小限の表現の自由と考えます。」済州島から上がってきたペク・シンオク(39)弁護士が話した。

 太陽が沈んでも市民の足は途切れなかった。 夜9時、仏教団体である仏力会所属会員6人が来て3000拝を始めた。 彼らの祈祷は翌日明け方まで続いた。「3000拝をしてみれば極端苦痛の限界が襲ってくるが、座込み場の人々がこの間に体験した苦痛に比較すれば何でもありません。」零下の夜風の中で汗を流してパク・チョンニン仏力会代表法司が話した。

 「これ以上寒くなる前に問題が解決されて、皆が家に帰れたらいいですね。」この日、労働者たちと一日を共に留まった市民団体分かち合い文化所属のキム・チヒョン(23)氏が話した。 座り込み村テントの中の気温は外と大差なかった。 文化財周辺であるため電気を調達したり暖房をすることはできない。 24時間を彼らと共にした記者は18日朝、座り込み村を出た。 疲れて寝ついた座り込み者たちは寝袋の中にからだを深々と埋めていた。

ユン・ヒョンジュン、チェ・ユビン記者 hjyoon@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/561172.html 韓国語原文入力:2012/11/18 20:35
訳J.S(2456字)

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