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[社説] セヌリ党の無責任で政略的なNLL攻勢

登録:2012-10-18 22:12 修正:2012-10-19 09:52

 西海(ソヘ)北方境界線(NLL)論難が10日を超えて続いている。 李明博大統領も昨日‘統一の時までNLLを命をかけて守らなければならない’とし、さっと割り込んだ。 統一秘書官出身のセヌリ党チョン・ムノン議員の統一部国政監査発言に触発された論議はセヌリ党に続き李大統領まで加勢し、より一層加熱する展望だ。

 核心は盧武鉉前大統領が金正日前国防委員長との会談で‘NLL放棄発言’をしたか否かだ。 これに関して首脳会談に同席したイ・ジェジョン前統一部長官、キム・マンボク前国家情報院長、パク・チョンチョン前大統領府安保室長は‘そのような発言をした事実はない’と断言した。 ここで生産的な議論となるためには問題を提起した当事者が自身の主張を裏付ける根拠を先に出すことが正しい。 一部保守言論が‘関係者’の口を借りて伝える出所不明の報道を根拠に、録音収録を廃棄したとか、首脳会談対話録を公開しろとか言いながら政治攻勢をすることではない。 最も事実をよく知っている首脳会談倍席者の発言を覆すことができるいかなる根拠も出すことができないにも関わらず国政調査や文書公開を叫ぶことは自ら大統領選挙用政略であることを認めることだ。

 当初NLLは1953年の停戦協議当時に境界が確定した陸上とは異なり海上での境界線が決まらないところから始まった。 金泳三大統領時期のイ・ヤンホ国防長官が話したように「停戦協定と関係なくわが国の漁船の保護のために、また、わが国の海軍艦艇が北側に行かせないために我々が公海上に描いた線」だ。 だが、北は1973年からこれを認められないと主張し、1999年には西海5島を全て自分の領域に含む軍事境界線を一方的に宣言した。 国連司令部がNLLを宣言した後、北が20年近く問題提起をせず我が軍がこれを防御線とし事実上境界線として固まった面があるが、法的に紛争が終結したわけではない。

 NLLと関連して南北が唯一合意した1992年南北基本合意書も「南と北の海上不可侵境界線は今後継続協議する。 海上不可侵区域は海上不可侵境界線が確定する時まで双方が今まで管轄してきた区域とする」と規定している。 2007年南北首脳会談後に出された10・4南北共同宣言には「南と北は西海での偶発的衝突防止のために共同漁労水域を指定し、この水域を平和水域とするための方案と各種協力事業に対する軍事的保障措置問題など軍事的信頼構築措置を協議するために南側国防部長官と北側人民武力部部長間の会談を今年11月中に平壌(ピョンヤン)で開催することにした」と出ている。 公式文書のどこにもNLLを放棄するという言葉はない。 以後に開かれた国防長官会談でもNLLを譲歩したことはない。

 公式文書にもなく、実際そのように仕事が進行されたこともないのに‘NLL放棄発言有無’で論議することは無用・無益だ。 しかもセヌリ党の朴槿恵候補は「北がNLLを尊重するならば、西海平和協力地帯を考慮してみることができる」と話した経緯がある。 与党ががんじがらめにしようとしている文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補もNLLを守ると明らかにした。 有力大統領候補が揃ってNLLを放棄することなく葛藤解決の基点として認識しているのに、いったい何が問題なのか。 事情がこうであるにも関わらず、セヌリ党が直ちに公開することが難しい首脳会談対話録を暴こうと食い下がるのは、死んだ大統領を大統領選挙用‘幽霊ごっこ’に呼び出そうとしていると見ざるを得ない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/556437.html 原文入力:2012/10/18 19:01
訳J.S(1567字)