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[社説] 現代車を解雇された非正規職社員の高空籠城

登録:2012-10-18 21:00 修正:2012-10-19 09:49

 現代自動車の非正規職社員労組の解雇労働者、チェ・ビョンスン氏がチョン・ウイボン事務長と共に数日前から蔚山工場前の送電線鉄塔に上り、籠城を始めた。チェ氏は7年にわたった辛い訴訟の末に2月最高裁で「現代車の社内下請けは不法派遣」という確定判決を受けた当事者だ。当然正規職に復帰してしかるべきだが、未だ工場内に入れずにいる。会社側が裁判所の判決で不法派遣であることを認めながらも、不当解雇ではないと固執しているためだ。

 現代車の社内下請けの非正規職社員は8000人余り(労組推算)に達する。彼らの正社員化を巡る論議は、非正規職社員3000人を2015年までに正社員として新規採用することを会社側が8月に決めて、相当部分が解消されるように見ることもできる。しかし今回の籠城が表わしているように、紛争は依然として現在進行形だ。会社側の計画が実践されても、5000人ほどは依然非正規職社員の境遇であるためだ。また正規職になる3000人のうちの2500人ほどは退職者の代わりになる計算なので、その数と同様の新しい社内下請け労働者が生じる可能性が高い。

 何度でも訴えるが、この問題は不法派遣を会社側が認めて、社内下請け労働者を正規職化することが正当な解決法だ。現代車の不法派遣は、雇用労働部や労働委員会でも全て結論が出ている状態だ。それなのに現代車はチェ氏だけが不法派遣だと見なしているにすぎない。

 非正規職労働者の正規職化要求は決して横暴ではなく、現代車が法を遵守して世界の一流企業としての責任を全うするのかという次元の問題だ。会社側は経済の不安定性と危機対応能力の低下などを心配しているが、危機の際に労働者の協力を請うためにも正規職化に熱意を見せるべきだ。労働界は、現代車の昨年の純利益4兆7000億ウォンの6%程度だけをもって、8000人余りが一度に正規職になることができると指摘している。

 解雇されたチェ氏は、現在すべてを賭けて籠城を行っている。高さ15mの場所に木板を敷いて、ロープで鉄塔に体を縛りつけ、‘セミ’のように不安と寒さに対抗している。現代車はチェ氏の籠城と同時にストライキに突入した非正規職労組とより積極的な協議に入るべきだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/556440.html 韓国語原文入力:2012/10/18 19:01
訳T.W(1216字)