原文入力:2012/09/27 19:30(1148字)
安哲秀無所属大統領選挙候補夫人のキム・ミギョンソウル大教授が2001年にアパートを購入しながら、実際の価格より申告価格を下げる「ダウン契約書」を作成した事実が明かになった。キム教授はソウル松坡区文井洞アパートを購入して、当時の相場の半額程の2億5000万ウォンで契約書を作成し、少なくとも1100万ウォンほどの取得税と登録税を脱漏したと推定されるとのことだ。
アパート取引が成立した2001年当時は、関連税法規定では、実取引価格ではないとしても、現価標準額またはそれ以上を選択して届けることができるようになっていた。ダウン契約書作成が節税のための慣行のように幅広く行われていた時期でもあった。それでも安候補の道徳的傷が覆われるものではない。それに安候補は著書「安哲秀の考え」で「脱税が発覚した場合、一罰百戒で厳しく処罰して、税金を踏み倒す意欲も出ないようにしなければならない」との言葉まで書いたのだから、「言葉と行動が違う」と批判されても、言うことはなさそうだ。そんな点で、安教授側が直ちに過ちを認めて謝ったことは適切だった。
実は安候補の道徳性と正直さなどに対する大衆の期待は、歴代どの大統領選挙候補とも比べられないほと高い。どの面でも彼は無欠点の人間として映っていたのが事実だ。それが大衆の幻想だと言っても仕方がない。政治とは無関係に過ごしてきた安候補が、一瞬で大統領選挙候補の列に登場するようになった理由も、こんなイメージとは無関係ではない。したがって、やや小い傷1つにも、有権者たちが直ちに落胆して背を向ける可能性もある。それは安候補の避けられない、甘受せねばならない報いでもある。
安候補に対する検証は、これから始まると言える。これまで全く公職を引き受けたこともなく、検証の度合いも他候補に比べてはるかに強いだろう。そんな残酷な検証の試験台は、彼が大統領選挙告知に至るために不可欠で、通過しなければならない関門だ。したがって安候補に一番必要なことは、言い訳を先にせず、率直で正々堂々と臨む姿勢だ。ある道徳的傷が大統領欠格事由にあたるかは、結局、有権者たちが判断するだろう。
安候補のダウン契約書問題で好材料に出会ったというように絨毯爆撃を始めたセヌリ党も、肝に銘じなければならない一節がある。検証を名目にした過度のネガティブ攻撃は、結局、ブーメランとして返って来ることになっている。実は相続税やら贈与税やら、何から何まで問題をすべてまな板の上に乗せて切ろうとすれば、朴槿惠候補もあまり有利にはならなそうだ。節制して慎む姿勢が、新しい選挙風土の形成はもちろん、セヌリ党にも役に立つはずだと念頭に留めおいてほしい。
原文: 訳 M.S