https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/553124.html原文入力:2012/09/24 19:13(1655字)
過去の問題に対して不動の姿勢の態度を見せた朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党大統領候補が結局、身をひるがえした。朴候補は昨日、自ら望んだ記者会見で、 "5・16,維新や人民革命党事件は憲法の価値が毀損されて大韓民国政治発展を遅延させる結果を招いたと考える" として "これによって痛みと被害をこうむった方々とその家族に改めて心から謝罪申し上げる" と話した。
朴候補が遅まきながら、朴正熙時代が我々の憲政史と民主主義に及ぼした弊害を認めて被害者に公式に謝った点は評価するに値する。特に元大統領の娘でなく選挙に出た公職候補の立場で、父親の朴元大統領の間違いを素直に認めたことは一歩踏み出した面がある。 "朴候補が最善を尽くした" というセヌリ党の評価のように、朴候補としては決して簡単ではない悩みの結果であろう。
しかし朴候補の努力をもろ手をあげて受け入れるにはもどかしさがなくはない。誰が見ても朴候補のこの日会見は‘二つの人民革命党判決’発言などで支持率が大きく下がったことによる急きょの策の印象が避け難い。もし支持率が高いままであったとしてもこのような会見がなされたかという問いをしてみれば答はより明確になる。
結局、問題の焦点は朴候補の真正性の有無に集まる。何より簡単な記者会見するかで過去の問題に対する論議を棚上げにするには朴候補のこれまでの多々の発言と今回の発言の間の隔たりがあまりにも大きい。それなのに朴候補は昨日の会見でこのような隔たりを埋めようとする最小限の努力もしなかった。‘飛行機の時間’を理由に記者たちの質疑応答も受けないで原稿だけ読んで席を立ったことからして残念だ。
朴候補が‘大統合’を強調して "国民大統合委員会を設置して国民の痛みを癒す" と話した大きな課題も一方的という感をぬぐい難い。実際、過去の歴史の傷と痛みを癒すための機構は前政権時の‘真実和解のための過去の歴史整理委員会’などがあった。しかしこのような過去の歴史委員会を絶えず批判して調査権限を弱化させようとしたことはセヌリ党の前身であるハンナラ党であったし、朴候補もやはりこの隊列に先立っていた。加害者が‘お恵みを施すような大統合’をするという、傲慢な考えから抜け出さない限り真の統合はとても遠い。
朴候補が "過去と現在が衝突すれば未来はない。過去から未来に行こう" と話した大きなテーマも同じだ。過去の座標を見誤れば未来の航路も外れる。国家のリーダーの過去の歴史認識が重要なのもこのためだ。それなのに朴候補は過去の歴史認識問題が不必要な政治論争という思考から依然として抜け出せずにいる。
朴候補は自身の真正性を疑う人々を恨むのではなく自らの真正性を証明しなければならない。このためにはわざわざ国民大統合委員会まで設けることもなく、ただちに実践可能なことから行動に移すことが、ものの順序だ。故チャン・チュンハ氏の疑問死事件の真相究明のための再調査に積極的に乗り出すのもその一つだ。朴候補の真正性を判断する人は結局、有権者なのだ。
原文: 訳T.W