本文に移動

[時論] 学閥特権撤廃のための‘国公立大統廃合’ /チョ・ヒヨン

登録:2012-06-28 08:19

原文入力:2012/06/27 19:25(1619字)

←チョ・ヒヨン聖公会(ソンゴンフェ)大教授(政治社会学)

 2012年現在、私たちは重大な局面に置かれている。 李明博政府を受け継ぐ政府が出現して‘保守の長い10年’が現実化される事もありえ、正反対に‘3期民主政府’が出現することもありうる。 どちらになっても、私たちは2013年以後に実現する‘希望’を夢見なければならない。 私は時々、李明博政府からの大衆の広範囲な離反と怒りを積極的な希望に転換できる、例えば‘5大議題’が何だろうかと思ったりする。 この内、代表的な社会改革議題として‘学閥撤廃に向けた大学体制改編’を何よりも重視したい。

 私たちが大学学閥体制の廃止に関心を持たなければならない理由は、教育を巡る競争が今や‘過剰競争’になって、競争が持つ固有な合理性を破壊する水準に達したためだ。 現在のように学閥が独占的特権を付与して‘良い職場’はますます少なくなる状況で、競争は真の競争力の源泉となる豊かな想像力と多様な経験、思考訓練を産むのではなく、かえって良い大学に入るためのスパルタ式暗記訓練に堕落して行く。

 その過程で肥大化した私教育、公教育の荒廃化、さらに学校暴力と自殺に至る性格破壊現象が出現することになる。 そのような意味でいわゆるSKY(訳注:ソウル大・高麗大・延世大)大学入学が熱心に勉強する学生たちに与えられる合理的褒賞の次元を越えて全生涯を貫く社会的特権であり資格証になって、敗者には永遠の頸木になるこの構造を廃止しなければならない。これは保守-進歩の境界を越えて国民的課題ということができる。

 それでは、これをどうすればできるだろうか。 数年前からカン・ジュンマン教授が‘ソウル大亡国論’と表現した学閥秩序改革には多様な方案があるだろう。 幸いに教育革命共同行動や教授労組など多くの進歩改革的教育団体が合意・推進している‘大学統合ネットワーク’案がある。 この案に従えば、一次的に全国の国公立大を単一共同学位大学に統合することだ。 例えば慶北大と全南大など国立大がソウル大と一つの大学になる。更には現在20%台に留まっている国公立大学の比重を高めるために、不正大学や財政が脆弱な私立大学を準国公立的性格を帯びた‘政府支援型私立大学’に再編することにする。

 このような改革の土台の上で、私立大学の公共性を拡大するために国立大と私立大を合わせる1年間の‘共通国立教養過程’を運営することだ。 国公立大を単一大学に統合する案はフランス、パリの国立大学のような例がすでにある。 この法案は2007年の大統領選挙でチョン・ドンヨン候補が‘国公立大共同学位制’という大統領選挙公約で、またキム・サンゴン京畿道(キョンギド)教育長が革新大学という名前で提起した。 統合された国公立大学は地域別に特定領域を特性化して、教育資源の‘選択と集中’を強化することにより国立大学の国際競争力も強化することになるだろう。

 私が思うに、盧武鉉前大統領が挑戦した2種類の不公正で不公平な既得権秩序を挙げるとすれば、ソウル中心の地域不平等構造と学閥に象徴される教育不平等秩序だ。 盧前大統領は前者を廃止するために‘首都移転’公約を大統領選挙で前面に掲げた。 盧前大統領が残したもう一つの国民的改革課題を挙げるならば、それは学閥秩序の改革だと言える。 合理的思考をする穏健保守主義者、‘教育を通じて階級再生産’に反対する進歩的自由主義者、急進進歩勢力が国民的課題として一致できる改革課題があるとすれば、まさにこれだと私は信じる。

チョ・ヒヨン聖公会(ソンゴンフェ)大教授(政治社会学)

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/539870.html 訳J.S