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[社説]大臣になった海外養子と犯罪者になった混血少年

登録:2012-05-21 00:30
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/533573.html記事登録:2012/05/18 18:56 (1376字)

 フランソ・オランド仏統領の初内閣の顔ぶれは世界の関心を集めるのに十分だった。女性と男性が同人数という事実だけでなくとも、黒人の元移民者、黄色人種の養子出身、過去の植民地の出身者ら、皮膚の色や出身、生い立ちでも多彩な虹色だった。もちろんその中でも目立って見えたのはフルール・ペルラン大臣だった。

 まず目を引いたのは彼女が韓国系のキム・ジョンスクという事実だった。しかし注目されるのは生後6ヶ月で養父母にもらわれた養子出身という事実だった。自慢することより恥ずかしさが先んじるものだった。同時に、不運な運命の赤ん坊を国の指導者の1人として立身するまでに育てたフランス社会に尊敬の念を覚えさせられた。その力はマイノリティーに気を配り、文化の多様性を尊重するフランスの進歩的な価値から発生したのだろう。
 ペルランを海の向こうのフランスに送った1974年の韓国と今日の韓国の養子をめぐる現実は、残念ながらさほど変わっていない。2010年の米国の海外からの養子のうち36%は韓国の子供だった。圧倒的1位であり、記憶すべきは彼ら海外養子の90%が未婚の母の子供という事実だ。生まれた環境が少し違うだけでも生きていくのが大変なのが韓国である。
 韓国人の父とロシア人の母の間に生まれた高校生が最近、連続放火の容疑で逮捕されたのがその典型だ。小学校の時からコンケツと呼ばれて育ち、中学生の時に劣等感からうつ病が深刻化して中退。一念発起して検定試験を経て高校に入ったものの、相変わらず仲間はずれにされて3ヶ月で中退した少年だった。結局路上をさまよって火炎瓶を作り、中退した学校に火をつけた。差別が、絶望へ、怒りへ、犯罪へとつながったのだ。フランスに養子に出されたペルルレンは最高のエリートコースを経て大臣の席にまでついたが、単に面立ちが少し違うだけの韓国の混血少年は犯罪者になったわけだ。
 このような差別は他の少数者にとっても同じだ。キリスト教国家である米国の大統領は同性間の結婚も支持すると表明したしたが、韓国では同性間の恋愛さえ罪悪視される。デートをしていた同性愛者が路上で暴行され、性的趣向などによる差別禁止を規定された学生人権条例が一年を迎える。
 韓国系者がフランスの大臣になったという事実に喜ぶことを止める理由も、必要もない。ただし皮膚の色が違い、生まれも不運な1人の子供をしっかりと育て、大臣にまでしたフランス社会の健全性を見習うことが緊要だ.
 皮膚の色や性的趣向など何か少しだけ違っても受け入れずに締め出し暴行する私たち自らを強く反省しなければならない。

原文: 訳T.W