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[社説]地方自治体の非正規職解消決議への期待

登録:2012-05-16 18:17
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/532941.html原文入力:2012/05/15 19:11(1387字)
 民主党と党所属の広域地方自治体の首長たちが昨日、民生政策協議会を開いて2014年までに傘下の公共部門の非正規職を正規職に切り替えることを決議したという。ソウルや仁川(インチョン)、光州(クァンジュ)、忠南(チュンナム)など9ヶ所の広域地方自治体と92ヶ所の地方自治体が対象のため規模が相当にのぼる。雇用不安と賃金差別の中で苦痛を受けた非正規職にとっては日照りの際の恵みの雨のようなありがたい話だ。  地方自治体が非正規職を正規職に切り替える動きはことさら新しいものではない。ソウル市でも5月1日から本庁と外郭団体の非正規職2916人のうち1133人を正規職(任期更新権付き契約職)に切り替えた。仁川市(インチョンシ)も2年後の正規職転換を前提に今年1月1日に民間の現業職208人を契約職員に変えた。その上での民主党の地方自治体の首長の決定はこの方針を自らの政策とすることを確認し合って党次元の国民に対する約束とし一段階引き上げた点で意味が大きい。
 財政自立度が低い地方自治体は非正規職雇用の誘惑に落ちやすい。直接的に歳費を削ることができ雇用の柔軟性を確保するのにも使えるからだ。だが、常に雇用不安に苦しむ職員が組織意識と情熱を持って熱心に仕事をすることを期待することは難しい。良質の職制である正規職に転換されて献身的になる方がかえってより大きな経済的価値を創出できる。今回の決議は憲法に定められた差別禁止の精神と‘同一労働、同一賃金’の原則にもそうこともいうまでもない。
 私たちの社会の非正規職は労働者全体の50%前後に達するが、公共部門もやはりその割合は少なくない。雇用労働部が昨年8~9月に実施した‘公共部門の非正規職実態調査’の結果を見れば、全国16個の広域地方自治体の非正規職の割合(正規職対比)は15%に達する。中央官庁では事情がさらに悪いところも多く、農村振興庁や文化財庁、国家報勲処、文化体育観光部は40%を軽く超えている。
 重要なのは政府がより一層積極的に公共部門の正規職化に前向きになり問題になる点を解消すべきということだ。その代表的なものが‘公共機関の先進化’という名目の人件費と職員数の抑制だ。政府が厳しく職員数と人件費を制限していて、公共機関は規制を受けない非正規職だけ増やしている。その結果、2011年に286ヶ所の公共団体の非正規職は前年より8.2%(3391人)増の4万4347人を記録した。
 ソウルなど広域地方自治体9ヶ所の決定が残りの地方自治体と公共部門全体に広がることを期待する。福祉を口で唱えるだけでなく具体的に実践して信頼を得ることが重要だ。
原文: 訳T.W