本文に移動

[編集局から] 年末には必ず投票しましょう/アン・ジェスン

登録:2012-04-12 08:01

原文入力:2012/04/11 22:28(1733字)

←アン・ジェスン政治・社会エディター

政治工学的算法を離れて、今回棄権した45%の有権者が
大統領選挙では貴重な一票を行使して欲しい
------------------------
個人的に初めて投票権を行使した選挙が1985年に行われた‘2・12総選挙’だった。冷酷な全斗煥軍事政権の監視のために酒席ですら政府を批判する話をするには先ず周囲を見回してからでなければならなかった厳酷な時期だった。 全斗煥政権は選挙結果を自分たちの意図どおりに持っていくために、各種の策略を動員した。 選挙日を寒い冬に決めたのは投票率を低くしようとする姑息な手であった。

 しかし国民の審判は恐ろしかった。 投票箱が開封されるとどこの誰もが予想できない結果が出たのだ。 4年間の政治活動規制から解放された野党政治家たちが投票日からわずか25日前に創党した新民党が当時与党であった民正党の‘2中隊’と呼ばれた民主韓国党を抜いて第一野党になった。 2・12総選挙は以後、民主化運動の起爆剤となって(87年)6月の市民抗争まで続いた。この時の投票率が84.6%であった。 歴史学者アン・ビョンウク カトリック大教授は2・12総選挙について「普段は注目されなかった民衆が歴史の流れを変えた選挙革命」と定義している。

 初めての投票以後、今回の4・11総選挙まで7回の国会議員選挙、5回の大統領選挙、そして5回の地方選挙、また、昨年のソウル市長補欠選挙と2008年ソウル市教育長選挙など20余回の選挙にもれなく参加した。 食傷ぎみな言い方になるが、最善がいなければ次善でも探さなければならなくて、最悪を避けるには次悪でも選択するのが正しいと判断したためだ。

 だが、こういう私の考えとは違って投票率は継続的に下落した。総選挙を基準として80年代後半70%台、90年代60%台、2000年に入ってからは50%台に落ちたし、4年前の18代総選挙では40%台まで墜落した。

 政治学者は我が国の投票率急落現象を色々な要因に求める。民主化の進展で以前に比べ投票熱望が冷めたという解釈から、既存政党と政治家に対する不信感が高まり無党派が増えたという分析まで多様だ。 ここに投票率下落傾向は世界的な現象という説明も付け加わる。

 一面ではうなづけるものの、必ずしもそうではないようだ。 中央選挙管理委員会の‘主要国家投票現況資料’を見れば、最も最近行われた国会議員選挙を基準として米国(47.5%)や日本(58.6%)のように投票率が低い国もあるが、そうでない国も多い。 義務投票制を導入したオーストラリア(この国では投票をしなければわが国のお金で2万~6万ウォンの罰金を賦課するが、投票率が通常95%に達する)は論外としても、私たちが福祉と教育問題などの色々な側面でついて行こうと考えるスウェーデンは1945年以後、一貫して80%を越えているし、ノルウェーとオランダも去る50余年間70%台を維持している。

 4・11総選挙の最終投票率が54.3%と集計された。 18代総選挙よりは高くなったが依然として半分近い有権者が棄権をしたわけだ。 国民によく知られた有名人が破格的な約束を掲げて投票督励をするなど、以前のどの時より投票参加世論が高かった点に照らしてみれば物足りなさが大きい。

 今後8ヶ月後である12月19日に18代大統領選挙が行われる。 投票率が低ければ与党に有利で、高ければ野党に有利だという政治工学的算法を離れて、大統領選挙では今回棄権した45%の有権者が投票に参加して政治的意志を表現して欲しい。 民主主義政治体制で投票は国民が行使できる最も大切な権利だ。 また、問題解決の最終解決法にはならなくとも、変化の出発点になることはできる。 その間の選挙を通じて確認できる事実だ。

アン・ジェスン政治・社会エディター jsahn@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/527936.html 訳J.S