https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/526945.html原文入力:2012/04/05 19:01(1356字)
企画財政部(財政部)が政界の福祉公約分析結果を発表したことに対して中央選挙管理委員会が昨日選挙法違反決定を下した。選挙運動が政府の介入で偏向されてはならないという趣旨で、公職選挙法は公務員や国家機関に政治的な中立の義務を課している。選挙日を目の前にして財政部が福祉予算が多すぎるという点だけを強調して公表した行為は有権者の判断に不当な影響力を及ぼすほかないので選管の決定はしごくもっともだ。
財政部は選挙に影響を与えないように政党別の分析結果を除くなど中立義務を守るために努めたというけれど詭弁であるだけに相応の責任を負わなければならない。与野政党の公約を履行するには5年間で268兆ウォンを追加、一年で最低53兆ウォンを上乗せしなければならないという財政部の発表内容自体が虚構に近い。生涯適度な福祉を打ち出しているセヌリ党の所要予算が1年15兆ウォン、庶民政党を掲げる民主統合党の追加予算も33兆ウォンに過ぎないためだ。 財政健全性を伝家の宝刀のように振り上げて福祉拡大をポピュリズムとしてほうむろうとする意図を疑わざるをえない。
与野党が綱領1条に経済民主化を入れて特別委まで作って福祉を拡大すると大騒ぎしたのはわずか数カ月前のことだ。昨年の無料給食論議をきっかけに福祉拡大と公正な社会に対する国民の熱望が洪水のように溢れ出たためだ。財閥の一人占めを防いで終わりなき競争から脱落する社会的弱者をすくわなければならないというのが底辺を流れる人々の思いだった。世界的な経済危機の中で大企業中心の小規模開放経済である我が国の庶民の暮らしが李明博政府の反動でより大きい打撃を受けたためだ。
しかしすでに過ぎたこととして、その結果はあまりにも貧弱だ。セヌリ党は5才未満の無料保育程度だけ残して、半額授業料や出産奨励策、老人生活対策は議論だけでいつの間にか姿を消した。民主党は細目の新設なしで財政健全性を維持する水準で福祉を拡大するということなので時代的要請に不十分なだけでなく実現の可能性も不明だ。
我が国の福祉財政比率は国内総生産の9%で、経済協力開発機構(OECD)国家の平均19%に比べて何と10%も低い。セヌリ党の福祉公約で追加として必要とされる財政は国内総生産の1%水準で、結局OECD国家の平均との格差のせいぜい10分の1にあたるというものだ。それでも朴槿恵セヌリ党非常対策委員長は‘市民生活を追求するセヌリ党’とふれ回り、庶民の生活を尊重しなければならない財政部は福祉ポピュリズムを警告する現実こそ欺瞞に見える。
原文: 訳T.W