https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/524752.html原文入力:2012/03/22 19:14(1465字)
釜山市(プサンシ)議会と蔚州郡(ウルチュグン)議会が停電事故がおきた古里(コリ)原子力発電所1号の即刻閉鎖を促す政府に対する決議案を採択した。釜山市議会は昨日"今回の事故は原子力発電所の人材・設備・安全管理システムの総合的な問題としてあらわれた" として "釜山市民に莫大な疑心と不安を招いて大きな衝撃を与えた" と、その理由を明らかにした。実際、電源供給中断の事態が持続すれば原子炉の炉心が溶けることもある重大事故だった。その上事故を隠すために非常ディーゼル発電機2台がともに作動しないまま核燃料を動かす危険千万な作業まで行った事実が新たに分かったので閉鎖の決議は当然だ。
問題は原子力発電所の安全に総合的な責任がある原子力安全委員会だ。カン・チャンスン原子力安全委員長は数日前、古里1号を閉鎖する気は全くなく、非常ディーゼル発電機などを点検した後に再稼働する予定だと明らかにした。予定耐用年数を超えた古い原子力発電所である古里1号はどこで問題が発生するかも知れない程システムが不安で、管理体制もあちこち欠陥があり、市議会が乗り出すほど住民が不安に思っているのに、別に問題ないとの認識では開いた口がふさがらない。原子力安全委の安易な認識のために原子力発電所安全に対する不信感は一層大きくなっている。
原子力安全委は古里原子力発電所第1発電所長が事件隠蔽を主導したとして今回の事故の責任を韓国水力原子力に押し付けた。しかし原子力安全委から派遣された駐在官と傘下の原子力安全技術院所属の駐在員が現場で勤めていたのに一ヶ月以上、事故の事実を知ることができなかったのは安全当局の資格も能力もないことを表わしている。原子力安全委は昨年の日本の福島原子力発電所の事故の後、安全規制を強化するという名目で作られたが、安全よりも原子力発電所の拡大政策に従事するのが優先のようだ。故障が相次いで深刻な問題が分かった原子力発電所を再稼働すると明らかにしたのも核安保首脳会議を意識して急いでもみ消しに出たとしか思えない。
原子力安全委は原子力発電所の利害関係者で構成されており、当初から‘原子力振興委員会’になるだろうという心配がされていた。ドイツは原子力発電所の利害関係者を排除した各界の識者で委員会を設けて常識と良識に基づいて原子力発電所の閉鎖決定を下している。信頼されない原子力安全委は客観的で中立的な人々で再構成されなければならない。
原子力発電所の使用延長に対する手続きは評価報告書を原子力安全委に提出して審査を受けることが定められているだけで、住民の意見の取りまとめや公聴会の開催は抜け落ちている。原子力発電所を新しく建てたり放射性廃棄物の処理場を作る時のように使用延長にも市民の意見を反映しなければならない。
原文: 訳T.W