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クロムビ発破の2日後にKTX売却説明会を開いた真意は…/ソ・ヘソン

登録:2012-03-11 07:26

原文入力:2012/03/10 12:03(1682字)

←ソ・ヘソン小説家

[クリティック] 道に向けた批評
道を奪われた後には火を失い
その次には水の順番が迫り来るだろう
山賊どもが峠にいるから…

 すべての道はストローだ。 道は対等でない時、他方を吸収してしまう威力を備えている。その道が揺れ動いている。

 済州(チェジュ)江汀マウルにある溶岩が冷めた岩、クロムビは発破と抵抗で再び熱い。 こちらにストローを当てる場所を拭い取っているのは米軍と現政権、大資本と現地業者、守旧勢力だ。彼らは江汀にストローを打ち込み済州と西海を政治・軍事的に飲み込もうとしている。 岩の爆破とともに大自然と民心は、生きながらにして胆嚢を吸われる熊の境遇に転落し、東北アジア情勢は海霧に閉ざされた。 強行採決を日常的に行ってきた18代国会で唯一良くした決定だった江汀軍港建設予算の全額削減決定は単なる爆破用焼紙として消えてしまった。クロムビ岩を爆破するための爆薬は何故か43トン使うという。 4・3が歴史の入れ墨として全身に彫られている済州の人々にとって4と3は決して消せない数字になってしまった。

 港は道の始点だ。下関は釜山から水路を出して鉄道と道路という内視鏡を突きつけて植民地朝鮮を‘内地’に吸い込んだ。 元山(ウォンサン)、群山(クンサン)、木浦(モクポ)の港も全く同じだ。それは満州につながった。 鉄道は近代という時間を統一的に適用させる上で決定的役割を果たした。運行調節と軍事移動、資本の略奪のための空間の時間化であった。 非同時性の同時性はこのように強制された。 歴史と官公庁建物の額に懸けられた大時計は時間を視角化し大衆を精巧に制御していった。 西欧社会で教会の鐘塔は素早く時計塔に交替させられた。 帝国の道は空間と時間と物産と人間を略奪し生命と平和を破壊して戦争を開く通路という意味だ。 クロムビが泣く理由もそれと同じだ。

 クロムビで最初の爆薬をさく烈させた翌日、現政権は3年後に終えられる高速鉄道(KTX)民営化説明会をむりやり開いた。建設費用の14兆ウォンは全て税金で出し、利益は資本に持っていかせようという発想だ。 すでに空の道(仁川空港)を売り飛ばすと出ただ反対に直面し、しばらく薄目をあけて周囲を伺っている勢力だ。 不正直者を父親に持った彼らが話題としているのが、あの悪名高い新自由主義だ。 今‘自由’という仮面をかぶった資本がMBを前面に押し立て道をまるごと飲み込もうとしている。

 断言するが、道の民営化は万人から道と行路を奪って資本の金庫の中に差し押さえすることだ。 財閥が峠の山賊となって通行賃を受けることにより万古不変に私腹を肥やすという意だ。 生命体としてその維持活動に必ず必要な絶対領域を商品化することは恒久的恐喝を制度化する露骨な強奪行為だ。 ‘絶対商品’から利益を奪うには、汗も、力も、他に装備も足手まといだ。 徴収員さえいれば済む。

 道を奪われた者はガスをはじめとする火を失い、火の次には水の順番が迫ってくるだろう。 火の道、水の道、通信の道、この道の民営化はすべての公共財を私有化する近道を開くだろうことは間違いない。 ともすれば主権者は資本に握られた網のような迷路の中を飛び交うことになるだろう。 道、水、火、体、飯など一文字で表されるものは、自然が地上の生命にあまねく下した偉大な基だ。 資本が狙っている未来商品がまさにこの最も原始的な‘商品’らだ。 食べて使わなければ死ぬからだ。

 服を着飾った山賊である大資本に道を渡すことは防がなければならない。江汀の海を守ることは平和を編み出す参与であり、高速鉄道民営化阻止は暮らしの血管を守る抵抗だ。

道はストローだ。略奪のストローをへし折ってしまおう。
ソ・ヘソン小説家

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/522799.html 訳J.S