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[社説]韓-米自由貿易協定発効は無謀な賭博

登録:2012-02-23 12:29
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/520334.html

原文入力:2012/02/22 19:28(1149字)

    韓-米自由貿易協定(FTA)が3月15日発効されるという。数日前外交通商部通商交渉本部と米国貿易代表部(USTR)は協定履行に必要な法的要件と手続きを互いに終えたとして発効日時を公式宣言した。しかし協定の危険性を心配する国民世論と野党の反対の声は相変わらずだ。韓-米自由貿易協定を巡って再び国論が分かれることになった。

 米国のマスコミが伝えたところによると、協定発効を急いだのはわが政府の要求によるという。李明博政府が4月総選挙と協定発効日の間に‘緩衝地帯’を置きたがったということだ。実際に政府は国会で昨年11月、与党単独で批准案を強行処理した後から発効日時を繰り上げようとする努力ばかりしてきた。発効準備の状況を確認したり補完対策を樹立することにはこれと言った関心がなかった。
 そのため協定に対する色々な疑惑と憂慮がまだ解消されないでいる。特に米国の協定履行準備は不十分だ。韓国は協定発効要件を合わせようと税制・環境・保健・知的財産権など広範な分野にわたって影響を及ぼす法律をはなはだしく26件も直した。協定履行過程に相反する法律が確認されれば追加で変えなければならない。立法府と司法府の判断も今後協定にしばられることになる。
 反面、米国は輸入関税と荷役手数料のような軽微な事案を調整する4件の法律だけ変えた。また、今後協定にくい違うすべての自国の法令はそのまま有効であり、協定に優先するという条項を履行法律案で念押ししている。実際に米国は協定に反する法令も堂々と維持している。例えば開城(ケソン)工業団地の製品の貿易を民刑事上の処罰対象としている‘行政命令13570号’がそれだ。協定の法的効力と地位がこのように偏った形で発効されるならば利益の均衡は根本的に崩れる。
 政府が約束した投資家-国家訴訟制(ISD)の改正も不透明だ。パク・テホ通商交渉本部長は両国間サービス投資委員会を構成して再議論すると明らかにしたが、限界は明らかだ。この機構では裁判の透明性を高めたり、単独審議制を改善したりする程度のみ議論できる。廃棄は全く念頭に置いていない。
 政府は協定発効で経済領土が広くなって国益増大の足場を得ることになったと主張する。だが、これは理論的にも実証的にも検証されていない話だ。先立って米国と協定を結んだ国々の経験に照らしてみれば、国民主権と国民経済の安定を脅かす要素が大きい。真の国益の観点から協定を全面再検討しなければならない。

原文: 訳T.W