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[社説]真価問われる南北と朝米の同時協議

登録:2012-02-15 11:37
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/518982.html原文入力:2012/2/14 19:06(1230字)
 政府が昨日離散家族の再会問題の議論のための南北赤十字の実務者協議を北に提案した。今月7日に高句麗古墳群の病虫害防除支援協議のための政府間実務接触を提案して数日目で再び呼びかけた対北朝鮮の公式対話提案だ。金正恩体制スタート以後、北朝鮮-米国の初めての公式接触になる23日の第三回朝-米高官対話に合わせたような政府のこのような提案は、北の対応いかんにより今後の南北および朝-米関係をうらなうものさしになりえる。

 そして何より高齢化で毎年大幅に減っている離散家族の再会のような人道的事業は政治的事情と関係なく遅滞なしに再開しなければならないという点から喜ばしい。ただし展望は楽観的でない。
 病虫害防除実務者協議の提案から2日ぶりの9日、北はこれを事実上拒否した。民間接触を止めながら当局間の対話優先を進めようとする南側の政府の姿勢を政治的だと非難して当局者間の対話の可能性自体を強く否定した。このような姿勢は赤十字実務協議の提案にもそのまま適用される可能性が大きい。当局者間対話の優先原則と、それは絶対だめだという原則にこだわる限り再会自体が難しくなるではないだろうか。
 南側が、北朝鮮-米国協議を前に相次いで北に対話の提案をすること自体が国内向けだとする見方もある。対話の意思のポーズだけ見せて、朝米協議の時に米国が北朝鮮に南北対話の圧力をかけらるように計算された時期を選んだという説もある。今回の北朝鮮-米国協議も生産的な結果は期待しがたい。イランとシリアなど中東問題の対処に忙しい、大統領選挙前の米国が対北韓関係で積極性を見せる余裕はない。北もまた、金正恩体制のソフトランディングを誇示する以上の歩みを示す余裕も意思も当分は期待しにくいというのが大方の予測だ。米国が南北関係進展を北朝鮮と米国の関係進展の前提条件であるようにしていることも、行き詰った南北関係の現実を考えれば、現状維持以上の積極的な対話の意思を疑わさせる。このような状況なので相次いだ対北朝鮮の提案を不正続きの国内の危機的な政局からまぬがれようとする意図と関連づける見方まである。
 離散家族再会の申請者13万人余りのうち、70代以上が80%で、毎年4000人余りが亡くなっている。2000~2007年に毎年2、3回ずつ計15回成し遂げた再会は現政権になって4年間にわずか2回なされただけだ。延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件以後、面会を再開する動きも断たれた。このような状況で具体的な日程まで定めた実務者協議の提案が非現実的な感じすらするが、それならなおのこと誠実に前提条件なしで会わなければならないだろう。

原文: 訳T.W