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チョ・グク "民主統合党、傲慢になっている"

登録:2012-02-06 07:11

原文入力:2012/02/05 19:03(4310字)

←チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

公認審査委員長提案固辞の後、批判の刃を研ぐ

"最近の民主統合党を見れば政権を取り戻せるという確信を越えて、今は思い上がりの段階に至ったのではないかと憂慮される。"

 チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授が5日腹を括ったように民主統合党に対する批判の刃を研いだ。 これに先立ち彼は先月民主党公認審査委員長を引き受けてほしいという提案に「党外の批判的助言者にとどまる」として固辞した経緯がある。 チョ教授はこの日ソウル、瑞草区(ソチョグ)、方背洞(パンベドン)のあるカフェで行われた<ハンギョレ>とのインタビューで「責任を負う席を断っておきながら、口出しだけするのかと言われそうだが、状況をそれだけ深刻に見ているという意味で聞いてほしい」と話した。 彼は特に「民主党には今セヌリ党(旧ハンナラ党)の綱領よりさらに右側にある人々がとても多い」として、強力な人的刷新を強調した。 ハン・ミョンスク代表に向かっても「総理の時のように調停者の役割に留まるならば失敗せざるを得ない」として「全党大会で自身を選んだ各勢力を満足させようとする気持ちを捨てるべきだ」と語った。

-民主統合党公認審査委員長提案を固辞したが?

 "公審委員長は高度な政治行為をしなければならないが、まず私には豊富な経験と知性や能力がない。 また、公審委員長を引き受けた瞬間、大衆には入党したのと同じように映るだろうが、それより私は現時点では唯一の授権代案政党である民主党が傲慢になったり自縄自縛に陥らないよう外側から助言し批判し牽制する役割を果たそうと思う。 今後進行される統合進歩党との連帯問題についても発言するだろう。 個人的には最近韓国刑事政策学会編集委員長になったが、学者にとって重要な意味を持つこの仕事にも忠実でありたい。"

-批判的見張り役の立場で民主統合党に何が最も不足していると見るか?

 "普遍的福祉や財閥改革など民主統合党の新しい綱領が進歩的に軟着陸したことと、モバイル等を通した市民の参加を引き出したことについて高く評価する。 だが、これは現政権の極悪非道な政治に対する反感にともなう反対給付だ。 途方もなく押し寄せた大衆が民主党に‘このままずっと行け’と要求しているわけではない。 市民は進歩的綱領の実現のための人物の革新を要求している。 かつて民主党が‘ニュー民主党プラン’を作ったことがあるが、その内容を見れば今、朴槿恵セヌリ党非常対策委員長が作ったものより劣っている。今の民主党には進歩的綱領に符合しない人があまりにも多い。"

-人的革新について悲観的で批判的な理由は?

 "ハン・ミョンスク代表をはじめとする民主党指導部の構成を見れば、既存の勢力関係がそっくり反映されている。 この部分が問題の核心だ。 民主党に予備候補らが途方もなく押し寄せているが、既存勢力関係が反映される公認がなされれば問題が深刻化する。 進歩的な綱領はそれを実践する人の変化がなければ単なる詐欺に過ぎない。 実際、最近民主党が示す姿を見れば、政権を取り戻せるという確信を越えて、今は思い上がりと言ってもよい段階のように見える。"

-ハン・ミョンスク代表の役割が大変重要なはずだが?

 "党内の色々な勢力に拒否感がなくやわらかい調停者のイメージを持つハン代表を選択したことは自然で安定的に見える。 ところが党の陣容を備えるために時間が予想より多くかかった。 朴槿恵委員長は党名まで変え改革ドライブをかけているが、ハン・ミョンスク号は何をしているのかちっとも見えない。 民主党の認知度が下がっていて、大衆にとって誰がより改革的に映るのか自信を持って断言しがたい。 長官、総理は行政をするものなので、政治家ハン・ミョンスクのリーダーシップが初めて試験台に上がったと見る。 2~3月に政権継承政党の代表として朴槿恵を跳び越える果断性と推進力を見せず、総理のように調停者の役割に留まるならば失敗すると見る。"

-党内の一部ではハン代表が任期序盤に果敢な突破に失敗したという評価もあるが?

“遅い感がある。ハン代表は4月の総選挙での圧勝が急務だ。 それでこそ12月の大統領選挙時にも役割がある。まず自身を選んだ各派閥を満足させようという気持ちを直ちに捨てなければならない。 モザイク式党運営は平時には大丈夫かもしれないが、4月の総選挙は全国の猛将を選んで戦わなければならない時期だ。きつく腹を括って支持してくれた人々と反目することも覚悟してこそ民主党が生きる。 それがハン代表に与えられた歴史的責務だ。”

-民主党公審委の構成はどのように評価するか?

 “一人一人は全て立派だと見る。派閥別持分割りが成り立ったと見られる。 この点で‘自分の持分’が抜けたムン・ソングン最高委員が怒るのももっともだ。 ちょっといぶかしい。 ムン最高委員の政治力不足なのか、彼に対する叩きなのか判断できない。 党外人士の場合、各自の領域で自分の役割をなさった方だが、女性たちはハン代表と縁があった方を入れたようだ。 14人中5人が女性から選抜されたことは今後女性公認が増えると予告している。カン・チョルギュ公審委員長のリーダーシップが重要だと見る。”

-カン委員長がどんな役割をしなければなければならないと考えるか?

 “道徳性は極めて基本的な前提で、党のビジョンと政策問題、すなわち民主党の新しい綱領実現のために献身する人を選び出す確固たる基準を持って、そうした方々を前面に配置しなければならない。 アイデンティティ問題が核心だ。 現在の民主党立候補者の中にはセヌリ党非常対策委で作った綱領より右側にいる人が多い。 こうした方々を取り除いてこそ統合進歩党との連帯もはるかに容易になる。”

-民主党に思ったより新しい人物が目につかないという評価もあるが?

 “ムン・ソングン最高委員程度が新しく登場したものだが、イ・ハギョン氏のような方々も党代表選挙戦から落ちはしたが湖南(ホナム)が育てなければならない人物だ。 こうした方々が地方区に出馬されたら良いだろう。 他の地域にもこのような人物が大挙出馬して地域的に新しい勢力がブロック化をしなければならない。公審委の役割がだから重要だ。

-総選挙野党圏連帯と関連した展望はどのように見るか?

 “統合進歩党の支持率が現在は低い水準だが総選挙の時は今の水準ではないだろう。 民主党候補を落とすことができる政治勢力という点を冷静に認識しなければならない。 野党圏の靭帯がふらつけば35%の固定支持層があるハンナラ党が第1党になりうる。 連帯は常に少数派が持つ持分よりより多くなる時にだけ成し遂げる。 民主党指導部がこのような点に対する認識を確かにして党内外の風に揺れ動いてはいけない。

-野党圏連帯と関連した議論がまだまともに始まってもいないが?

 “両者ともにすべての地方区候補を定める前に、一日でもはやく、今直ちに交渉を始めなければならない。 公認審査と交渉のツートラックで進行されなければならない。 野党圏連帯に対する議論や対備装置なしに民主党党内選挙戦を行えば、単一化交渉では途方もない葛藤と苦痛が伴うほかはない。 両者の代表性ある方々が公開的方式であれ秘密裏であれ交渉のテーブルを作らなければならない。 何より野党が互いに協議する姿を見せてこそ、いわゆる‘進歩的大衆’が希望を持てる。 これは本当に進歩を自任する私のような白面書生(訳注:本ばかり読んでいて、経験の乏しい人間)の切迫した願いでもある。”

-最近、両党間に惜敗率制を巡る葛藤がふくらむなど、政策共同歩調に対する危機感もある。

 “惜敗率制をめぐって両党が神経戦を行うのではなく、両党合わせて議会多数派になってこそドイツ式政党名簿比例代表制度も導入できるということを巡って議論しなければならない。 今は多数党になるにはどうすればいいかという共同公約議論をしなければならない時点だ。 4月の総選挙の10大公約、5大公約、そういうものを出して6月国会で何をし、9月国会では何をするというロードマップを提示することが重要だ。 自分たちを支持する進歩的大衆に手でつかめる進歩と改革の姿を簡明に縮約して見せてほしいということだ。 何よりも候補登録前には必ず、1番(セヌリ党)対 2番(民主統合党)になるのか、1番対3番(統合進歩党)になるのか、全国的な地図を出さなければならない。”

-統合進歩党も統合以後に相当な内部葛藤を経ているが?

 “統合進歩党の真性党員制は現代政党政治の模範といえるが、活動方式はまだ変化した時代について行くことができていない側面がある。 大衆民主主義が無事定着しているのに党は文化的遅滞、政治的遅滞を体験しているようで残念だ。 民主党の悪口ばかり言っていないで、見習うべきことは見習わなければならない。 大衆の関心がない部分に対する議論をすることに時間をあまりに多くかけている。 3党が党統合された後、化学的結合にならず、すべての運営を1:1:1で分けているように見えることも問題だ。 党内多数派になることがそれほど重要ではないのに、わずかな政治的利益を得て大衆の心を得ることに失敗しかねない。 イ・ジョンヒ、ユ・シミン、シム・サンジョン3代表もやはり自身の基盤になる勢力に非難される覚悟をして、これら勢力を越えてこそ成功できる。”

-野党圏連帯議論の過程で自身を含め市民社会がどの程度の役割をできると見るか?

 “位置づけがますますなくなるだろうと見る。代議民主主義や政党政治が活性化されれば、いわゆる在野や市民社会の影響力が下がるのは自然な現象だ。 過去には市民社会に両者の調整の役割を任せたこともあるが、これからは各党が直接行うと見る。市民社会から相当部分が政界に移動しているが、これまた否定的な評価をする理由はない。ただし、今まで市民社会を引っ張ってきた人々が政界に多数移ったので2013年以後の市民社会に新しいリーダーシップをどのように確立するかに対する熟慮は必要だ。”

ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/517530.html 訳J.S