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[朝の陽射し] 再び国家連合、低い段階の連邦/ハン・スンドン

登録:2012-02-05 08:23

原文入力:2012/02/02 19:34(1768字)

←ハン・スンドン論説委員

政治的統一は不可能
南北合意で開城(ケソン)工業団地10個作れば
事実上 統一は達成される

 実用主義を掲げた李明博政府の反実用主義対北政策は失敗するだろうし、結局は南北関係が破綻し中国など周辺国にすべての実利と名分をすべて渡した後に再び原点に戻るだろう。 ルィディゴ フランク オーストリアウィーン大学教授など多くの人々が4年前にした予言は現実となった。 ハンナラ党は政治綱領・政策の北韓関連項目で「自由民主主義体制への転換のために努力する」という項目を結局削除した。 だが、あまりに遅かった。 とは言え、それは失敗に関する一歩遅れた自白を "無原則" と批判し北に改革と開放を圧迫しない限り北の変化も統一もないと主張した自称保守本陣よりはマシだ。 結構率直で勇気あることとみられるが、自称本陣こそ故障した録音機のように継続して流れた過去の歌の陰に隠れて60年余り分断により甘い水をすすってきた卑怯な既得権層の代弁者と言える。

 真に北の改革・開放を望む人は改革・開放を叫びまくりはしない。真に実用を追求する人は実用を騒ぎ立てない。 人権がそうであり、統一もまたそうだ。

 4年前、李明博政府とほとんど同じ時期にスタートした台湾の馬英九政権は両岸(中国-台湾)関係に韓国の‘太陽政策’を導入し、李明博政権はその時に太陽政策を捨てた。 馬英九は中国と経済協力基本協定を締結し経済協力を支援した。 通商・通航・通郵(逓信)の‘大3通’を成功させ、中国人個人の台湾観光まで許容した。 200万の台湾企業家が大陸で事業を展開し、春節(正月)には数万人の中国人が台湾を訪れた。 中国共産党と国民党の戦いで引き裂かれた血縁がそのように行き来して最高10%を越える経済成長を成し遂げた。 両岸の人権と民生改善をより有効に達成できる方法が他にあっただろうか。同じ4年間、南北の人権・民生指標は悪化の一途であった。 離散家族の対面の道までほとんど詰まってしまった。 南北が遠ざかった分だけ近づいたのは北韓-中国だ。 貿易協会が集計した昨年の北韓-中国交易規模は56億ドルを越え、これは南北交易規模の3倍を越える。 格差はますます広がっている。

 ‘先経後政’(経済優先、政治は二の次),‘先易後難’(容易なこと先にして難しいことは後に)を前面に出した台湾の太陽政策と‘以経制政’(経済で政治を制圧),‘先譲後要’(先に譲歩し後で要求)を掲げた中国の相互実用主義は両岸統一を加速化させた。 今、両岸関係は経済的には事実上統合された。 台湾人の多数がこのような変化を支持し、馬英九総統は再選した。 吸収統一を夢見た李明博政権は逆を行った。

 政治的統一に執着する限り南北統一は不可能だ。 ハンナラ党でも民主党でも朝鮮労働党でも、自身の解体と消滅が予定される統一を追求する筈はない。 南北にすでに形成された強固な既得権層は自身の特権をより一層拡張しようとする、相手の全滅を前提とした統一は追求しても、自分たちが危険に陥る統一を追求する理由はない。 五味洋治<東京新聞>編集委員が出した<父・金正日と私-金正男 独占告白>(文芸春秋)を読んでもそのことを感じられる。したがって統一は共生の統一になる他はない。 そうでない統一は内紛と残酷な内戦につながりかねないことを私たちはすでに60年前に戦争を通して体験した。

 経済的統合、それと同時に進行される文化的統合など非政治的統合を優先しながら皆が一緒に生きる方式の統一。 そのことが歳月が過ぎれば血を流さないで特権層を消滅させながら結局政治的統一も達成する最も効果的な道でありうる。 南北が合意して開城工業団地10ヶだけ作れば、事実上統一は達成される。

 このことがまさに南北が6・15宣言に明記して10・4宣言で再確認した国家連合提要、低い段階の連邦制ではないのか。その道しかない。

ハン・スンドン論説委員 sdhan@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/517264.html 訳J.S