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[社説]米国のイラン制裁にこのまま従うべきか

登録:2012-01-12 11:47

原文入力:2012/01/11 19:07(1070字)
  米国と西側によるイランへの締めつけが加速化している。米国財務長官がイラン産石油の輸入禁止措置に中国を引き込むために一昨日北京に訪問したうえ、ヨーロッパ連合もイラン産の石油輸入禁止の可否を予定より1週間繰り上げて23日に決めることにした。米国の意図のとおりイラン産の原油の全面禁輸措置が強行されてホルムズ海峡が封鎖された場合、世界経済は動揺して我が国も大きい打撃を受けることになる。  イランが海を通じて運ぶ世界の石油の3分の1、世界の石油総取引量の20%がホルムズ海峡を通過する。我が国は全オイル類の10%をイランから輸入しているだけでなく中東全体で輸入する原油の80%以上をホルムズ海峡を通じて運んでいる。苦労して築いた、イランという中東の私たちの経済・文化の砦を一気に失いかねない。
 昨年末の国防授権法制定以降急激に強まった米国のイランへの締め付けは、目新しい話ではない。しかし、核開発阻止を前面にした米国が本当にもくろんでいるのは中東と中央アジアに対する覇権維持と中国への牽制という分析が多い。イラクやアフガニスタンから退く米国は、同地域のイスラム強国であるイランがその最大の恩恵国になりかねない事態の展開を強く憂慮しているということだ。なぜなら、そうなると中東の石油に対する米国の統制力が揺らぎ、イスラエルが危機に直面しうるためだ。
 ‘アラブの春’の熱気の中でリビアに介入した西側の次の狙いがイランかも知れないという話が、このために説得力を帯びるようになってきた。イランに対する追加制裁とときを合わせるように米国が最近、サウジアラビアやアラブ首長国連邦とそれぞれ300億ドル、35億ドル分の武器販売の取り引きをしたのにも驚かされた。今回の事態が、結局は米国など西側の巨大石油企業と軍需産業界の船だけを潤すだろうという指摘がこれと無関係ではないだろう。
 イランの石油をほとんど輸入しない米国と西側がイラン産石油の禁輸措置で失うものはない。しかしイラン石油の13%を輸入する日本と22%を輸入する中国、そして我々は立場が違う。特に我々には選択肢は少なく失うものはとても多い。米国に積極的に例外措置を要求するなど我々の被害を減らす努力が非常に必要な状況だ。イランとの関係も破局に追い込んではならない。史上最高と自慢してきた韓米の特殊な関係をこのような時に活用できないなら何の意味もないだろう。
原文:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/514308.html 訳:T.W