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[時論]‘怪文書’韓-日協定を再協議せよ/ソン・チョルウォン

登録:2011-12-15 12:00

原文入力:2011/12/14 19:44(2069字)


←ソン・チョルウォン韓日協定再協議国民行動共同代表


   "学徒兵出陣の太鼓は鳴った。…銃後は私たち婦女が守る。男児に生まれて今日ほど生の正しい意味を感じたことはなかったはずだ。学兵諸君には洋々とした前途が開かれた。体で国家に殉ずる偉大な使命が付与された。"


  太平洋戦争が真っ最中だった1943年12月‘天城活蘭’という日本式姓で創氏したキム・ファルラン(金活蘭)がこのような文を書いて親日行為にしきりに熱を上げている時、韓半島のか細い少女は日本軍慰安婦として連行され血の涙を流す苦痛を受けていた。

  2011年12月14日。いつのまにか被害者少女がハルモニとなり、1992年1月8日に‘水曜デモ’を始め1000回になった。19年11ヶ月と6日、日数にすれば7281日、流れる歳月の中でハルモニたちが亡くなっていっても‘水曜デモ’はしつこく続いた。ところで「慰安婦挺身隊は日本軍に自ら献身したのだ」と分別のない若者がぺちゃくちゃしゃべりまくる時まで、私たちは果たして何をしていたのか? 憲法裁判所が違憲決定を下す時まで政府は果たして何をしていたのか?


  辞典を見れば‘慰安婦’とは 「主に戦争の時、軍隊で男たちを性的に慰安するために動員された女」となっている。したがって‘日本軍慰安婦’は日本が動員した韓国女性ということは当然のことなので、心から謝罪して賠償するなどの態度を見せさえすれば終えられることだった。しかし良心という道徳的意識が麻痺した日本は「民間業者の仕業」だったとし、責任回避に汲々として、どうにもならなくなると、1965年韓国・日本間に締結された請求権協定でこの問題は 「完全にそして最終的に解決」されたものと主張するかと思えば、公式的な責任を回避する方便である‘女性のためのアジア平和国民基金’で解決しようとした。


  法的に解決されたという日本の主張を調べることにしよう。‘請求権協定’で解決されたという主張を改めてみれば、日本が日本軍慰安婦被害者の日本に対する請求権を認めているという話になる。ところで請求権問題が「完全にそして最終的に解決」されたと規定したのは請求権協定2条1項であり、請求権消滅の具体的範囲を規定したのは請求権協定に対する合意議事録(I) 2(g)であった。 この合意議事録には韓国が提出した‘対日請求要綱’、いわゆる‘請求権8項目’に対し韓国側がいかなる主張もできないと規定されているが、その8項目には "被徴用者の請求" の他には日本軍慰安婦被害者に対する言及は全くない。したがって日本軍慰安婦被害者は法的にも請求権を主張する十分な根拠があるにも関わらず政府がそれを見逃してしまったのだ。


  ‘女性のためのアジア平和国民基金’とは民間次元で基金を募金し日本軍慰安婦被害者に慰労金を支給するという趣旨で設立されたものだ。このような行為は韓半島での植民支配が道徳的には問題があっても法的には何の問題もなく有効だという日本の鉄則、すなわち‘有効不当論’と一脈相通じた処置だ。どこの慰安婦被害者ハルモニが金に飢えて1000回に及ぶ‘水曜デモ’を続けるだろうか? 巧妙に法的な責任は回避しながら道義的責任だけを負おうというこういう軽薄な術策を日本は放棄しなければならない。


  日本軍慰安婦被害者ハルモニは2011年12月14日‘1000回水曜デモ’を迎えて駐韓日本大使館前に少女像の‘平和の碑’を建てる計画だ。 慰安婦問題に対して責任を負うことを要求する米国下院決議と国連人権委員会の報告書にもビクリともしなかった日本が‘平和の碑’設置を中断させてほしいと韓国政府に要請するなど大騒ぎしているので、良心はなくても羞恥心はあるようだ。いつのまにか甲と乙の境遇がさかさまになる瞬間が近づいているのだ。


  今度は私たち国民が変わる番だ。日本の厚顔無恥を恨む前に自らの無関心を振り返ってみて問題を根本的に解決する方策を見出さなければならない。 慰安婦被害者ハルモニだけでなく、強制徴用被害者が、原爆被害者が、米帰還同胞が苦痛から抜け出す方策を、独島に対する日本のごり押しを阻止する方策を、略奪文化財を返還させる方策を、歴史教科書歪曲を阻止する方策を額を突き合わせて探さなければならない。


  このすべての問題の頂点に独裁政権が戒厳令と衛戍令という極端な手段で国民の意思を押さえ込み1965年に締結した韓-日協定がある。当事者が誰かによって、時代の変化によって解釈が一進一退する韓-日協定は条約として存在価値のない怪文書になって既に久しい。私たち皆が知恵を合わせて韓-日協定全面再協議に乗り出さなければならない時がまさに今だ。
ソン・チョルウォン韓日協定再協議国民行動共同代表


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/510166.html 訳J.S