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"9年間の戦争…残ったのは家族の死だけ"

https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/510428.html

原文入力:2011/12/108:57(1468字)
チョ・イルジュン記者


米‘イラク戦 終戦’宣言
8年9ヶ月ぶりに米軍完全撤収…オバマ "大きな成就"
現地では11万人が死亡…石油・宗派紛争もそっくり残る


   "皆さんの最高司令官として国家を代表し、ついにこの二つの単語をいうことになり誇らしい、ウェルカム ホーム。ウェルカム ホーム、ウェルカム ホーム、ウェルカム ホーム!」 バラク・オバマ米国大統領は14日、米国のイラク戦参戦将兵に「帰還を歓迎する」という言葉を4回も繰り返した。「米軍はイラクで大きな成就をおさめ、胸を張って現地を去る」と褒め称えた。 ノースカロライナ州ポートゥブレグ空輸部隊基地を訪問し‘イラク戦終了’を宣言する席であった。

  オバマ政府は12月31日までにイラクから米軍の撤収を完了して戦争を決着させる。 9・11同時テロが勃発し1年半後の2003年3月にイラクを侵攻し8年9ヶ月ぶりだ。2007年、一時17万人に達したイラク米軍は現在5500人余りだけが残っている。 すでに2009年8月イラクに治安権を譲り渡した米軍は境界隣接地国クウェートに撤収している最後の部隊とともにイラクから完全に抜け出すことになる。イラクには大使館警備など最小限の自衛兵力だけが残る。


  上院議員時期にイラク戦に反対したオバマはこの日の演説で「戦争は始めるより終わらせることが難しい」として「まもなくイラク戦は過ぎ去った歴史になるだろう」と話した。彼はイラク戦に最上の意味を付与して、参戦軍人にも最高の賛辞を惜しまなかった。 「あなた方の犠牲のおかげでイラク国民が自ら運命を切り開く機会をむかえた。 米国は過去の帝国らとは異なり、領土や資源のためでなくそれが正しいためにイラク戦争を行った。」


  オバマの発言は歴史的評価を意識した政治的修辞であることを考慮しても、真実とは距離が遠い。 長期に及ぶ戦争は米国とイラク双方に途方もない被害と深い傷を残したためだ。


  今イラクでは未来に対する不信と恐れが外国軍撤収の喜びと希望を圧倒している。 政派・宗派紛争と石油資源を巡る地域葛藤が固定化した。 油田地帯が密集した北部クルド人自治地域は中央政府の統制を受け入れず、破壊された経済は復旧する兆しが見られない。独裁者サダム・フセインの逮捕と死刑を喜んだ勢力も多いが、それも5年前のことだ。


  オバマが‘米国の成就’を力説した日、イラク、バグダッドでは一人の女性が深いため息を吐いた。ジャホラ ジャシムという主婦は<ロイター>通信に「戦争の9年間で私に残った唯一のイメージは2人の兄弟と家族の死だけ」と打ち明けた。「何も変わっていないでしょう。今でも毎日爆弾が弾け暗殺が横行しているが、政府は何も出来ないでしょう。」


  1980年代イランとの戦争、1990年代と2000年代に米国の侵攻を受けたイラクには戦争で夫を失い生きる道が見えない女性が100万人に及ぶ。


  これに先立ち去る12日、イラクのヌーリー・マーリキー総理は米国を訪問してオバマ大統領などと会い、イラク再建と地域安保方案などを議論した。 マーリキー総理は米国企業らに‘機会’を、オバマ大統領はイラクに‘持続的な両国関係’を約束した。 チョ・イルジュン記者 iljun@hani.co.kr


原文: 訳J.S