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大統領‘膝祈祷’政教分離を威嚇

原文入力:2011-03-07午前09:48:25(1759字)
憲法的価値 宗教多元性 き損 批判起き
公開集会参席・放送中継など自制すべき

アン・チャンヒョン記者、ファン・ジュンボム記者

←李明博大統領夫妻が参加した国家朝餐祈祷会が去る3日、ソウル、三成洞のコエックスで開かれている。 大統領府カメラマン団

李明博大統領が‘膝祈祷’を上げたことを契機に、大統領の国家朝餐祈祷会出席に対する根本的な問いが提起されている。政教分離が原則の我が国で、大統領の宗教偏向性が浮き彫りになり‘宗教的平和’にひびが入るということだ。

6日、政界では与野党を問わず不満の声が相次いだ。チョン・テクン ハンナラ党議員は「国民が見守る状況で予定になかったことが起きたことは正しくない」とした。キム・ブギョム民主党議員も「私たちの社会が持つ宗教的多元性と豊穣感が毀損されかねない」として憂慮した。 ハンナラ党のある重鎮議員は 「一国の大統領をひざまずかせることは通常でない」として「改新宗教界が過度に傲慢だった」と話した。先立ってイ大統領夫妻は去る3日朝、朝餐祈祷会に参加しひざまずき‘一致協力祈祷’を上げ、仏教界などは 「国の品格を傷つけた」と批判した。

←李明博大統領と夫人キム・ユンオク氏が3日午前、ソウル江南区、三成洞のコエックスで開かれた第43回国家朝餐祈祷会でひざまずき祈っている。3500人余りが参加したこの日の祈祷会でイ大統領は韓国キリスト教総連合会会長であるキル・ジャヨン牧師が「皆一緒にひざまずき1分間の通声祈祷を捧げよう」と提案するや他の参席者らと共に‘一致協力祈祷’をした。この日の祈祷会にはソン・ハクキュ民主党代表と国会朝餐祈祷会長のファン・ウヨ ハンナラ党議員なども参加していた。大統領府カメラマン団

朝餐祈祷会が歩んできた歴史を見れば、政治と宗教の‘取り引き’疑惑が濃厚だ。カン・インチョル韓神大教授の<韓国新教と反共主義>を見れば、1966年米国の国家朝餐祈祷会を模倣した‘大統領朝餐祈祷会’(1976年国家朝餐祈祷会に変更)が始まりで、これはアジアで最初だ。当時キム・ジュンゴン牧師は「神様が軍事革命を成功させた」と話した。維新体制スタート後、初めて開かれた1973年朝餐祈祷会はテレビで実況中継され、キム牧師は 「10月維新は神様の祝福を受けどうしても成功させなければならない」とした。

これとは別に、一部新教指導者らは1980年8月、全斗煥国保委常任委員長と共に‘国のための朝餐祈祷会’を開き、<韓国放送>、<文化放送>はを生中継した。米国の国家朝餐祈祷会は新教の他に他の教団や宗教にも開放されているが、我が国では事情が違う。

イン・ミョンジン牧師(ガリラヤ教会)は 「祈祷会が政治集会と似てきた状況で、こういう形式が正しいか再考しなければならない」として「大統領の個人的宗教生活を尊重して保障する次元で、公開的宗教集会に呼ぶこともやめ、参加することもない形が良い」と話した。

一部では政教分離の憲法的価値が脅威を受けているという問題提起まで出てきている。イ大統領は‘長老大統領’として希望教会人脈を政府高位職に座らせ‘コ・ソヨン人事(高麗大出身・ソウル市人脈・嶺南出身)’論難を自ら招来した。チェ・ジェチョン前民主党議員は「宗教が教勢拡張のために政治を活用し政治は宗教を通じて勢力を広げてきた」とし「宗教と政治の境界がかすんできている」と指摘した。

大統領府は公開的な言及を避けている。ただし大統領府核心関係者は「新教内部でもそのことに対して問題提起があるではないか」という話で、大統領をひざまずかせた新教側に迂回的に不満を表わした。大統領府は今回のことを契機に特定宗教偏向的というイ大統領のイメージが再度喚起されることを懸念している。こうしたことを体験したので新教も今後、国家朝餐祈祷会で気を付けるのではないかということが大統領府側の期待だ。

アン・チャンヒョン、ファン・ジュンボム記者 blue@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/466715.html 訳J.S