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窃盗犯1人に未解決事件 何と171件…‘犯罪 濡れ衣’厚かましい警察

原文入力:2011-01-07午前08:30:45(1432字)
懐柔・脅迫に勝てず偽り認定
疑わしく思った検察捜査のおかげで
控訴審で寃罪晴らし‘執行猶予’

ホン・ヨンドク記者

窃盗疑惑で拘束された30代に警察が何と171件の未解決窃盗事件を覆いかぶせる、いわゆる‘背負わせ’を行ったことが露見した。
水原地裁第4刑事部(裁判長 キム・ギョンホ)は6日、窃盗疑惑で拘束された後に保釈されたキル・某(32)氏の控訴審裁判で、5件のみの窃盗疑惑を認め執行猶予を宣告した。キル氏は2009年6月、京畿城南市盆唐区のあるビヤホールで現金6万ウォンなどを2度にわたり計21万ウォンを盗み3回は未遂に終わった疑惑だけが認められた。

2009年9月21日、キル氏を窃盗疑惑で拘束した京畿盆唐警察署が明らかにした窃盗件数は計125件だった。2日前の明け方、盆唐区、書峴駅付近でキル氏は警察に逮捕された。彼は警察から‘強盗事件現場のCCTVに撮影された犯人が君と似ている。認めれば執行猶予か(懲役) 6ヶ月で出られる’という話を聞いたという。

キル氏は大学を卒業したが、中・高校時期に行動・情緒障害を体験し‘盗癖’で保護処分を受けたことがあった。そこで 「強盗容疑者よりは窃盗犯がよりマシ」と感じ1件を認めたところ状況は急変した。

「警察が‘城南地域で発生した窃盗未解決事件も君がすべて背負って行け’と言った」とキル氏は話した。犯行を否認すると、警察は‘お前をガチガチに縛って父親(が勤める)学校と、通った職業学校に引っ張って行き恥さらしさせてやる’と脅迫したと言った。

生涯を教育者として過ごし、病気で病んでいる父親(59)を心配して、キル氏は125件の窃盗事件を全て認め、2009年10月 水原地裁城南支所1審裁判で懲役2年を宣告された。しかし警察の‘背負わせ’は止まらなかった。1審後、キル氏を訪ねてきた担当警察官は‘仁川の窃盗事件1件からお前の遺伝子が出てきた’とし自白を要求した。キル氏はこれもまた認めてしまい、仁川地域未解決窃盗事件51件も追加された。犯罪件数は計176件になり、窃盗額も4700万ウォンに膨らんだ。

控訴審事件を受け持った水原地検刑事3部チェ・ジュンホ検事とイム・サンホ捜査官はキル氏の犯罪疑惑のつじつまが合わないという点を不審に思った。イム捜査官は「城南と仁川で同じ日の、同じ時間帯に10分違いで盗んだというが、お前は洪吉童か」と言い、キル氏は‘虚偽の自白だったこと’を打ち明けた。

検察はキル氏が通った忠南公州の職業学校と周辺ネットカフェなどで出席記録とネットカフェのコンピュータ接続記録などを確認し、アリバイが立証された171件がキル氏と無関係であることを明らかにした。検察はキル氏の控訴状を変更し、キル氏には幼い時期に犯した3回の‘小盗み’前歴のために懲役1年6月,執行猶予2年が宣告された。

イム捜査官は「当時、キル氏を調査した盆唐警察署警察官は麻薬犯人から金を受け取った疑惑で拘束された」とし「実績に偏した警察の‘背負わせ’で無念の寃罪を着せられた人が少なくない」と話した。
水原/ホン・ヨンドク記者 ydhong@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/457602.html 訳J.S