習近平中国国家主席の北朝鮮訪問の可能性が取り沙汰される中、訪朝が実現した場合、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と何を話し合うかに関心が集まっている。特に習主席が1週間おきに米中、中ロ首脳会談を行ったばかりであるため、関連内容を共有し、朝米対話や北朝鮮の核問題、朝鮮半島問題などについて意見を交わすのではないかとみられている。韓国政府は、習主席の訪朝が行き詰った南北関係を打開するきっかけになりうるとみて注目している。
習主席が北朝鮮を訪問する可能性を示す兆候は、最近いくつか現れている。北朝鮮と中国は3月、中国の北京と北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を結ぶ双方向旅客列車の運行を6年ぶりに再開した。平壌〜北京間の航空便も再開された。特に先月には、王毅中国共産党中央対外連絡部主任兼外交部長(外相)が6年7カ月ぶりに訪朝した。
習主席が訪朝すれば、昨年9月の金委員長による中国「戦勝節」80周年記念行事への出席に対する返礼訪問の形になる。特に今年は「中朝友好協力互助条約」(朝中友好条約)締結65周年にあたるため、朝中友好を強調する象徴的なイベントになりうる。先月、北朝鮮を訪問した王毅外相は、北朝鮮のチェ・ソンヒ外相に対し、「血で結ばれた中朝間の伝統的な友好が永遠に色あせることなく、決して壊れることがないことを示した」とし、ハイレベル交流・対話の強化を強調した。習主席としては、1月の李在明(イ・ジェミョン)大統領との韓中首脳会談、5月の米中・中ロ首脳会談に続き、朝中首脳会談までまとめれば、中国が朝鮮半島の外交の主導権を握っていることを確実に見せつけることができる。
(朝中首脳会談が実現した場合)議題としては、朝中関係だけでなく、朝米会談、北朝鮮の核問題などが取り上げられる可能性がある。
習主席とドナルド・トランプ米大統領は今月14〜15日、中国の北京で首脳会談を行った後、「北朝鮮の非核化という共通の目標を確認した」と述べた。特にトランプ大統領は、習主席と北朝鮮について議論したと明かした。
韓国政府は、冷え込んだ南北関係の突破口が開かれるかに関心を寄せている。李在明政権は南北関係の改善に力を入れているが、北朝鮮は「南北二国家論」を掲げ、門戸を開こうとしない。ただし、北朝鮮は17日、(アジアサッカー連盟女子チャンピオンズリーグへの出場のため)「ネゴヒャン(我が故郷)女子蹴球団」を韓国に派遣した。
中国政法大学のムン・イルヒョン教授はハンギョレの取材に対し、「習主席は李大統領やトランプ大統領が北朝鮮に伝えたい内容を伝えるメッセンジャーの役割を果たせるだろう」と予想した。
チョン・ドンヨン統一部長官は21日、習主席の訪朝の可能性について「まだ中国からの発表がないため、しばらく様子を見守りたい」としつつも、「朝鮮半島を取り巻く北東アジア情勢の地殻変動を前に、朝鮮半島の安定、平和、共同繁栄を戦略的に深く考えるべき時だ」と述べた。また「習主席が訪朝すれば、朝米対話が議論されると思うか」という質問に対し、「当然議論されるだろう」とし、「巨大な地殻プレートが動いている」と答えた。韓国政府関係者は「まだ確実ではないが、北朝鮮の女子サッカーチーム派遣など限定的な変化が見られるだけに、状況の変化を期待している」と話した。
統一研究院のチョ・ハンボム特別研究委員は、「イラン戦争などで朝鮮半島問題に対する米国の関心が薄れた隙を突いて、中国が南北関係における影響力を強化するために訪朝するものとみられる」とし、「李大統領と習主席の関係は悪くなく、北朝鮮も女子サッカーチームを派遣していることから、中国が仲介役を果たすことで南北関係が改善する可能性もある」と見通した。