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韓国大統領室「米国との関税交渉にかなりの進展…APEC期間中に妥結の可能性も」

登録:2025-10-20 06:35 修正:2025-10-20 07:53
ク副首相やヨ通商交渉本部長など訪米交渉団が帰国 
「多くの争点で意見一致…一つ二つで調整中 
3500億ドルの投資案においてはかなり隔たりが埋まった」
韓米関税交渉の後続協議のために米ワシントンを訪問したキム・ヨンボム大統領室政策室長(右)とヨ・ハング通商交渉本部長が19日、仁川国際空港第2旅客ターミナルを通じて帰国した後、発言している/聯合ニュース

 キム・ヨンボム大統領室政策室長は19日、韓米関税交渉の後続議論のための米ワシントン訪問から帰国後「今回の訪米協議では多くの争点において実質的な進展があった」とし、「今回の訪米前よりは、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の期間中に交渉が妥結する可能性がさらに高くなった」と述べた。ただし「依然として調整が必要な残りの争点がいくつかある」と語った。ドナルド・トランプ米大統領が韓国に「公正な待遇」を強調し、「数千億、数兆ドルを払わなければならない」と圧力を強めている状況で、3500億ドルの対米投資の履行方式をめぐり、最後まで激しい駆け引きが続く見通しだ。

 キム室長は同日午後、仁川国際空港の入国場で記者団に対し、「(ハワード・ラトニック米商務長官と)2時間以上の公式協議のほか、その後の夕食会でも密度のある対話を続けた」とし、このように説明した。キム室長は慶州(キョンジュ)APEC首脳会議を控えて米国との関税交渉を終えるために16日にワシントンを訪問し、この日ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官、ヨ・ハング通商交渉本部長と共に帰国した。キム・ジョングァン産業通商部長官は、先日韓国人労働者の拘禁事態が発生したジョージア州の現代自動車工場などを訪問し、翌日の20日にアトランタから帰国する。

 キム室長は今回の訪米協議を通じて「大韓民国が受け入れられる範囲内で、そして相互互恵的なプログラムであるべきという内容においてはかなり隔たりが埋められつつある」としながらも、「多くの争点ではかなり意見の一致を見たが、依然として調整が必要な残りの争点が一、二点ある」と話した。ただし「残りの一、二点の争点」が何なのかは具体的に言及しなかった。

 政府内外では3500億ドルの投資履行方式をめぐり、直接投資規模と投入期間の分散、利益の分配、外国為替市場の衝撃を最小化する金融安全装置の用意などをめぐり、韓米間の意見の相違が依然としてあるのではないかという話もあった。

 キム室長はこれと関連し、「韓国の対米投資金3500億ドルを10年間分割投資する案が議論されているのか」という質問に、「個別的な争点については答えられない」と述べた。その一方で「7月31日に合意された3500億ドルという数字については私たちも留意しており、(この投資金が)相互互恵的なプログラムを通じて運用すべきという点などについて両国が意見の一致にかなり近づいている」と述べた。

 また、外国為替市場の衝撃を防ぐための韓米通貨スワップ協定の締結についても、「個別プログラムまで言及するのは交渉と関連しており(明らかにするのは難しい)」としたうえで、「大韓民国の外国為替市場に及ぼす衝撃があってはならない」と語った。

 これと関連し、ク副首相は16日(現地時間)、ワシントンの国際通貨基金(IMF)本部で行われた記者懇談会で、「今の通商交渉はラトニック長官と行うのが本流であり、この構図に従って外国為替の所要が発生すれば、外国為替の安定性を確保するために私たちがスワップを(交渉)することもありうるし、しないこともありうる」と述べた。韓国政府の対米交渉の優先目標が通貨スワップ締結そのものより、財政・外国為替の負担につながる対米直接投資規模を現実的な線で統制することを示すものといえる。

 韓国に向けたトランプ大統領の圧力はさらに強まっている。トランプ大統領は17日、ホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談中、取材陣に「欧州連合(EU)、日本、韓国などに私たちが望むことは公正に待遇されること」だとし、「公正だということは米国に数千億、さらには兆単位のドルが入ってくることを意味する」と主張した。

 このようなムードの中で、交渉の活路を開くために財界も乗り出した。サムスン電子のイ・ジェヨン会長とSKグループのチェ・テウォン会長、現代自動車グループのチョン・ウィソン会長、LGグループのク・グァンモ会長、ハンファグループのキム・ドングァン副会長などは18日、米フロリダのウェストパームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブで、トランプ大統領と「ゴルフ会合」を行った。この日のゴルフ会合は7時間以上にわたり行われ、4人1組の試合で誰がトランプ大統領と同じ組になったのかは公開されなかった。ただし、これらの企業は半導体やバッテリー、自動車、エネルギーなど戦略産業分野に大規模な対米投資プロジェクトを進めており、最終段階に入った関税交渉などに対する意見開陳が行われたものとみられる。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1224230.html韓国語原文入力:2025-10-19 22:41
訳H.J

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