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韓国裁判所、「戒厳ほう助」容疑のハン・ドクス前首相の拘束令状を棄却

登録:2025-08-28 06:49 修正:2025-08-28 07:25
尹錫悦前大統領の内乱行為ほう助の疑いが持たれているハン・ドクス前首相が27日、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)後、ソウル瑞草区のソウル中央地裁庁舎を出て、車に乗っている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が主導した12・3非常戒厳をほう助した疑いで請求されたハン・ドクス前首相の拘束令状が27日に棄却された。内乱事態関連者が同調したかどうかを判断するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームの捜査にも、一定の支障が生じるものと予想される。

 ソウル中央地裁のチョン・ジェウク令状専担部長判事はこの日、「重要な事実関係および被疑者の一連の動きに対する法的評価に関して争いの余地がある点」があるとし、「本件の容疑に関して争う余地がある点、本件の容疑に関してこれまで確保された証拠、捜査の経過、被疑者の現在の地位などに照らし、防御権行使を越えたレベルで証拠隠滅の恐れがあると判断するのが難しい点」などを挙げ、ハン前首相の拘束令状を棄却した。

 この日、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)後、京畿道儀旺市(ウィワンシ)のソウル拘置所で待機していたハン前首相は、直ちに釈放された。これに先立って特検チームは24日、ハン前首相に内乱首謀ほう助、偽証、虚偽公文書の作成および行使、公用書類の損傷などの容疑を適用し、拘束令状を請求した。ハン前首相は違法な非常戒厳宣言に手続き的正当性を与える目的で、尹前大統領に国務会議の招集を建議し、戒厳解除以後にも手続き的欠陥を隠すために、事後に作成された非常戒厳宣言文に署名した疑惑などが持たれている。

 特検チームは同日午後1時30分から3時間半ほど行われた令状実質審査で、160ページにわたるパワーポイント(PPT)資料を使い、ハン前首相の容疑を説明したうえ、犯行の重大性と証拠隠滅の恐れを強調したという。

 特検チームは、大統領の第1補佐機関でありけん制の責務を持つハン前首相が、違法な非常戒厳を止めず、むしろ国務会議の召集を建議し、戒厳宣言の手続き的正当化を図るために積極的に助力したと主張した。「戒厳を止めるために国務会議招集を建議した」というハン前首相の主張とは異なり、すべての国務委員が招集されていない中、一部の国務委員が大統領室に到着していないにもかかわらず、国務会議の終了を止めなかった点などに照らして、国務会議招集を建議した目的が戒厳宣布の手続き的正当性の確保にあったということだ。

 特検チームは、ハン前首相が非常戒厳令が解除された後も、手続き上の欠陥を隠ぺいするために事後に作成された非常戒厳宣布文に署名するなど、違法な戒厳宣言の犯行を隠そうとしたと強調した。また、ハン前首相が憲法裁判所で「(尹前大統領から戒厳宣言文を)いつ、どのように受け取ったのか、本当に覚えていない」と偽証するなど、今後の内乱裁判でも再犯の恐れがある状況であり、拘束捜査が必要な状況であると主張したという。特検チームは令状実質審査に先立ち、25日には362ページに達する拘束の必要性に関する意見書を提出した。

 一方、ハン前首相側は「戒厳反対」の目的で国務会議招集を建議しており、戒厳宣言を助力する目的ではなかったとし、関連疑惑を否定したという。偽証疑惑に関しては、特検の取り調べの過程で「戒厳宣布文を受け取った」と認めるなど、拘束の必要性がない点を強調したという。

 特検チームがハン前首相の身柄確保に失敗したことで、国務委員はもちろん内乱加担・ほう助疑惑がもたれている内乱事態関連者の捜査にも一定の支障が生じるものとみられる。特検チームは、ハン前首相を再び呼び出して容疑を補強した後、拘束令状を再請求するかどうかを決める方針だ。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1215607.html韓国語原文入力:2025-08-28 01:27
訳H.J

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