尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱事件の裁判で裁判長を務めるチ・グィヨン部長判事の接待疑惑について、ソウル中央地裁が「特別な立場を明らかにすべき内容はない」と述べた。野党「共に民主党」は疑惑を立証する写真の公開などを検討中であることを明らかにしており、市民団体はチ部長判事を高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発した。
ソウル中央地裁は15日、チ部長判事の接待疑惑について「内容が抽象的であるだけでなく、具体的な資料が提示されてもおらず、それによって疑惑の真偽が確認されてもいない」とし、「ソウル中央地裁がこのことに関して立場を明らかにするほどの内容はない」と述べた。前日に国会法制司法委員会の全体会議とブリーフィングで民主党が「昨年8月にチ部長判事が1人当たり100万~200万ウォンするルームサロンで接待を受けていた」という疑惑を提起したが、ソウル中央地裁は釈明すべきことはないと表明したのだ。ただし、判事の不正疑惑について調査権限を有する最高裁傘下の倫理監査官室が事実関係の確認にあたっているという。
民主党はソウル中央地裁を「身内をかばっている」として批判している。民主党中央選挙対策委員会のノ・ジョンミョン報道担当は、「対象者を特定しており、職務関係者から接待を受けたという具体的な疑いを特定した。場所を特定できるよう現場写真まで公開した」として、「中央地裁は事実上、自浄の放棄を宣言した。写真の公開や法的対応など、あらゆる可能性を検討する」と述べた。
司法正義を正す市民行動(市民行動)はこの日、収賄および請託禁止法違反の疑いでチ部長判事を公捜処に告発した。市民行動は「チ部長判事は裁判業務の政治的中立と職務の独立を重大に傷つけうる接待を受けた」と主張し、公捜処に捜査を求めた。