憲法裁判所による尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判の判決言い渡しが予想より遅れていることで、憲法裁に迅速な言い渡しを求める野党「共に民主党」の声も強まっている。憲法裁が19日にも言い渡し期日を公示しなかったため、尹大統領を罷免するかどうかの決定が来週に持ち越される可能性があるとの見通しが示され、民主党では不安も広がっている。
民主党のイ・ジェミョン代表はこの日午前、ソウルの光化門(クァンファムン)広場で行われた最高委員会議で、「12・3戒厳が国全体を破壊している。このすべての危機の本質は『国政混乱の持続』にある」とし、「今は大韓民国の正常化に誰もが力を合わせるべき時であり、憲法裁の迅速な判決を改めて求める」と述べた。民主党の「路上最高委員会議」は14日に続き2度目だが、イ代表は「テロの恐れがある」との情報提供があったため、この日が初めての出席となった。この日、イ代表はジャケットの中に防弾服を着用し、警察の身辺警護も受けた。
この日の会議に出席したイ代表以外の党指導部メンバーも、一斉に憲法裁に対して「一日も早く尹大統領に罷免を言い渡してほしい」と述べた。パク・チャンデ院内代表は、「(弾劾審判が)これほど引きずるべきことなのか、納得できる国民がどれほどいるのか非常に疑問だ。争点が複雑なわけでもなく、証拠も十分で、全国民が直に目撃し、事案も非常に重大だ」と指摘した。キム・ミンソク首席最高委員は「民主憲政を踏みにじった権力による親衛クーデターを審判するのに左顧右眄(さこうべん)し、国民の苦しみと不安の終息に断固とした態度が取れないなら、憲法裁判所に何の存在理由があるのか」と述べた。
早急な尹大統領の罷免を求める民主党の国会~光化門徒歩行進は、この日で8日連続となった。市民社会団体の主催する夕刻の光化門集会への参加後は、深夜に国会で非常議員総会が開催され、憲法裁の判決の遅れへの対応策などをめぐって激論が交わされた。
民主党などの野党5党はこの日、憲法裁に尹大統領の迅速な罷免言い渡しを求める書簡を手渡した。
民主党が憲法裁に総力戦で罷免を迫っているのは、言い渡しがいつになるかも分からずに遅れるにつれ、尹大統領弾劾の棄却の可能性まで取り沙汰されるなど、不安が高まっているからだ。尹大統領の弾劾審判の言い渡しが、今月26日に予定されているイ・ジェミョン代表の公職選挙法違反事件の控訴審判決より遅れる可能性もある、との懸念も高まっている。それぞれ早期大統領選挙の実施と、早期大統領選挙への対応策と関連しているため、敏感にならざるを得ない状況だ。首都圏のある再選議員は、「守旧・保守勢力は、尹大統領の弾劾訴追は認容されるにしても26日より後になるべきと考えているが、それを考慮して憲法裁が政務的判断を下す可能性がよりいっそう排除できなくなっている」と語った。