「キム・ゴンヒ特検受け入れ! 国政壟断究明! 尹錫悦(ユン・ソクヨル)拒否」
横断幕を前に広げたろうそくの行列が、秋雨の降るソウル都心の街頭へとくり出した。スローガンとともに流れるノリのいい歌を聞きながらプラカードを振っていた市民たちは、8年前にソウル都心を彩ったろうそく行進が思い浮かぶと口をそろえた。13歳と11歳の子どもと一緒に行進していたイ・ギョンビンさん(52)は、子どもたちを見て「朴槿恵(パク・クネ)政権弾劾の時期にも街頭に出た子たちだ。生きた教育の場だと思う。特定の政党を支持するか否かは別として、法さえ公正でない現状を見て、国家運営がめちゃくちゃだと考えて参加した」と話した。
参与連帯、民主社会のための弁護士会、全国民衆行動などの主要市民団体が結成した拒否権を拒否する全国非常行動は16日、ソウル光化門(クァンファムン)で「キム・ゴンヒ特検受け入れ! 国政壟断究明! 尹錫悦を拒否する市民行進」をおこなった。このかんろうそく行動などの一部の団体と労働組合が中心となって行われていた尹錫悦大統領退陣運動が、主要な市民社会団体にまで外延を広げたのだ。この日の行進には共に民主党、祖国革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党の野党5党も、先立って行われた「第3回国民行動の日」を終えて合流した。
行進に先立つ集会の舞台に立った市民たちは、それぞれの立場から「大統領拒否宣言」に立ち上がった理由を語った。海兵隊の予備役大尉でもある軍人権センターのパン・ヘリン相談チーム長は、「一時は愛した組織であり誇らしかった海兵隊の一員として、恥ずかしいことこの上ない日々が続いている」、「大統領の業務には民意を無視して将軍様を保護しろと書かれているのか」と海兵隊員C上等兵特検を拒否し続ける尹大統領を批判した。民弁のシン・セヨン弁護士は「尹大統領は国民の意思をことごとく無視し、国民によって選出された代表者である国会議員によって可決された法案に拒否権を乱発するなど、常識的に理解できない行いを続けている」とし、「資格と人権感受性を備えた者が大統領になって、ひたすら国民のために国民の代表の役割を遂行してもらいたい」と述べた。
野党も強硬な批判の声をあげた。祖国革新党のチョ・グク代表は「政治はめちゃくちゃだ。外交は虚妄だ。経済は大コケだ。保守は人に合わせる顔がない。だが改善は望み薄だ。だから我々国民は絶望している」とし、「憲政中断の懸念より、このままでは韓国が滅びるかもしれないという懸念の方が強くなっている。教授たちも学生たちも労働者たちも声を一つにして立ち上がっている。いずれも尹錫悦退陣を求めている」と述べた。進歩党のキム・ジェヨン代表は、「国民の命、安全、幸福、尊厳、そのいずれにも関心を持たない大統領が、国家元首として外交を行い、行政府の首班として民生の責任を負い、国軍の統帥権者として安保を指揮する国で、どうやってさらに2年半を生きられるというのか」と声を強めた。
集会後、光化門を出発したろうそく行進は、特に衝突もなく鍾路1街(チョンノイルガ)と明洞(ミョンドン)を通って解散した。行進に参加した市民たちは、ろうそくの行列を眺めながら写真を撮る市民たちに向かってプラカードを振りながら、スローガンを叫んだり歌を歌ったりした。