日帝強制動員の被害者の遺族たちが、佐渡鉱山などを経営していた日本の戦犯企業「三菱マテリアル(旧三菱鉱業)」を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、一部勝訴した。昨年、最高裁が強制動員に対する損害賠償請求の消滅時効基準を2018年10月30日と明示してから、被害者側の勝訴判決が相次いでいる。
ソウル中央地裁民事36単独のイ・ジェウン部長判事は30日、Hさん、Lさんら5人の被害者が起こした損害賠償請求訴訟で、原告の主張の一部を認める判決を下し、Hさんに2727万ウォン(約298万円)あまり、Lさんら4人に1人当たり1818万ウォン(約198万円)を支払うよう被告に命じた。
最高裁は強制労働の被害者と遺族たちが日本製鉄と三菱重工を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で昨年12月に原告勝訴判決を下した際、消滅時効の計算基準を、強制動員の被害者たちの慰謝料は1965年の韓日請求権協定に含まれていないとの結論が最高裁全員合議体によって下された2018年10月30日であると明示した。被害者が日本企業の不法行為に対する損害賠償を請求する権利が自身にあることを知ったのは、2018年の最高裁全員合議体判決によってであると判断したのだ。その後、下級審もこれを基準として判決を下している。ただし日本企業側は韓国の裁判所で被害者勝訴の判決が下されても賠償を拒否しており、実際に賠償が実現するかは未知数だ。
今回の事件の被害者たちが訴訟を起こしたのは2019年3月で、消滅時効に関する最高裁の結論を待つために期日未定(追って指定)状態で2年間弁論が延期されていた。
三菱グループは日帝強占期に軍需産業を足場に急成長し、その際に10万人あまりの朝鮮人を強制動員したと推定される、代表的な日本の戦犯企業だ。三菱グループに属する三菱鉱業はかつて日本現地で27カ所、朝鮮半島で37カ所の作業場などを経営していた。その中には軍艦島(端島)や佐渡鉱山なども含まれている。佐渡鉱山は今年7月にユネスコ世界遺産に登録されたが、韓国政府もこれに賛成し、物議を醸している。