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「性的マイノリティー祝福」した韓国の牧師、結局追放に…「プロテスタントの黒歴史」

登録:2024-03-05 07:37 修正:2024-03-05 08:40
メソジスト会裁判委「同性愛に同調」上訴棄却 
イ牧師、懲戒無効訴訟を検討「復職闘争」
性的マイノリティーを祝福したとしてキリスト教大韓監理会から追放を宣告されたイ・ドンファン牧師が4日午前、ソウル鍾路区の監理会館で行われた上訴審(総会裁判委員会)に出席し、宣告を待っている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 クィアパレードで性的マイノリティーを祝福したイ・ドンファン牧師が4日、キリスト教大韓監理会(メソジスト会、以下「監理会」)から最終的に最も重い処罰である追放処分を受けた。イ牧師は「プロテスタントの歴史において嘲笑される黒歴史」だと反発し、一般法廷で「復職闘争」を継続すると予告した。

 監理会総会裁判委員会は4日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)の監理会館で行われた上訴審の判決公判で「被告人(イ牧師)の上訴を棄却する」との判決を下した。イ牧師は2019年の仁川(インチョン)クィアフェスティバルで性的マイノリティーを祝福したとの理由で告発され、停職2年を宣告されたが、その後もさらに3回にわたって性的マイノリティーを祝福し、「同性愛に賛成・同調する行為」を禁止する「教理と章程」(監理会法)3条8項に違反したとして昨年12月に監理会京畿年会から追放を宣告されていた。

 イ牧師の弁護団は上訴審の過程で、性的マイノリティーの人権問題や監理会京畿年会での一審判決の手続き的問題などをあげて追放の不当性を主張したが、裁判委はこれを一つも認めなかった。裁判委はこれについて「厳格に解釈しても(イ牧師が)花びらをまき、性的マイノリティーの祝福式に参加してそれを執りおこなったことなどは、すべて同性愛に賛成・同調した行為に当たる」と述べた。公訴棄却された事件を告発なしに再起訴したことなど、イ牧師側の指摘した一審の手続き的な誤りについても、裁判委は「被告人に実質的な不利益を与えるとか、未必的ではあるが何がしかの意図があったとは考えがたい」として認めなかった。

 イ牧師と支持者たちは、裁判委のこのような決定を強く批判した。イ牧師は裁判の終了後、「今回、監理会総会の下した決定と認識水準は恥ずかしい」とし、「性的マイノリティーを祝福したということで追放した判決は、プロテスタントの歴史において嘲笑される黒歴史として記録されるだろう」と語った。「性的マイノリティー歓待牧会として裁判を受けるイ・ドンファン牧師共同対策委員会」も声明で、「(裁判委の決定は)キリスト教信仰を反社会的で非合理的なものへと転落させるだけでなく、現在の韓国社会の深刻な問題として認識される差別と嫌悪を、信仰を前面に押し出して監理会教団の名で公式化したもの」だと批判した。「性的マイノリティー差別反対虹行動」のソジュ執行委員は、「イエス様の愛は誰かに痛みを与えたり苦しめたりするものではないと信じている。イ牧師と祈っているすべての人々のために監理会が今からでも、遅れたとしても、過ちを悔いて謝罪する日が来ることを願う」と述べた。

 イ牧師側は、この日の裁判委の追放決定は認められないとして、一般法廷に懲戒無効訴訟を起こすことを検討している。イ牧師は2019年の仁川クィアフェスティバルで性的マイノリティーを祝福し、その後、停職2年を宣告されたことに対しても、昨年ソウル中央地裁で懲戒無効訴訟を起こし、現在裁判が進められている。イ牧師は「愛は続いていくもの」とし、「今後、教会に戻るための復職闘争に集中する」と語った。

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/1130855.html韓国語原文入力:2024-03-04 17:46
訳D.K

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