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韓国外相候補、強制動員めぐる裁判取引疑惑に「司法壟断という定義に同意できない」

登録:2024-01-09 00:04 修正:2024-01-09 07:48
外相候補者の人事聴聞会
チョ・テヨル外交部長官候補が8日午前、国会で開かれた人事聴聞会で議員の質疑に答えている/聯合ニュース

 チョ・テヨル外交部長官候補が8日、国会人事聴聞会で「日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員関連裁判取引」について、「司法壟断ではないと考えている」と述べた。裁判取引の疑惑は朴槿恵(パク・クネ)政権時代、ヤン・スンテ最高裁長官が裁判官の海外派遣を増やすため、政府の意向に従って日本の戦犯企業を相手取った強制動員被害者の損害賠償訴訟再上告審の判決を引き延ばしたもので、司法壟断疑惑の主な内容の一つだ。

 同日、国会外交統一委員会で開かれた聴聞会で、チョ候補は「最高裁事務総局が三権分立の原則に反して行政府といろいろな取引をしたので、司法壟断事件は重要な犯罪行為ではないか」という共に民主党のチョン・ヘチョル議員の質疑に、「この問題を司法壟断と定義することには同意できない」と答えた。「ヤン・スンテ元最高裁長官がかかわった司法壟断をどのように判断するか」という民主党のキム・サンヒ議員の度重なる質問にも、チョ候補は「司法壟断ではない」と答えた。

 チョ候補は外交部2次官だった2015年6月、裁判取引疑惑の主要な被疑者であるイム・ジョンホン当時最高裁事務総局次長に会い、強制動員裁判再上告審の進行過程全般について協議したという疑惑が持たれている。また検察は、外交部が裁判手続きを引き延ばす手段として最高裁に意見書を提出する案を最高裁事務総局が進めたとみたが、チョ候補はこの過程にも積極的に介入した疑惑がある。チョ候補者はこれまで、「裁判取引への加担疑惑」について、「最小限の範囲内で話をしただけ」だと釈明してきたが、この日の答弁はさらに一歩踏み込んで司法壟断自体を否定したもので、波紋が予想される。

 チョ候補は「強制徴用判決による重大な問題がどうして裁判官の海外派遣のような些細な問題と取引の対象になりうるだろうか」としたうえで、「裁判取引という名前を付けることは妥当ではない」とも語った。これに対し、チョン・ヘチョル議員は「この事件自体が最高裁と最高裁事務総局が職権を乱用し、行政府などと協議または議論し(裁判を引き延ばした)非常に重大な犯罪だが、それ自体を否定するような候補の答弁態度は非常にふさわしくないと思う」と指摘した。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1123527.html韓国語原文入力:2024-01-08 21:12
訳H.J

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