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昨年の国政監査で「猛暑、害虫、排水に備えていないジャンボリーはトラウマ」警告

登録:2023-08-05 07:59 修正:2023-08-05 11:49
民主党のイ・ウォンテク議員ら、政府に警告
2023セマングム世界スカウトジャンボリーが開催されている全羅北道扶安郡のキャンプ場内にあるごみ集積場/聯合ニュース

 「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」で猛暑により熱中症患者が続出している問題で、準備不足と運営の不備を指摘する声が高まっているが、政府は昨年から、複数の野党議員から繰り返し会場の猛暑・豪雨対策を強化すべきだと警告されていたことが明らかになった。共に民主党所属のキム・ユンドク、イ・ウォンテク両議員が国会国政監査と本会議で「猛暑などへの備えが完璧になされていない状態で開催すれば、青少年に夢と希望を与えるべきジャンボリーは恐怖とトラウマとして残る大会へと転落する恐れがある」と警告していたにもかかわらず、政府はこれに耳を傾けなかった。

 国会議事録を4日確認したところ、昨年10月の国会女性家族委員会の国政監査で、イ・ウォンテク議員が世界ジャンボリーの共同組織委員長を務めるキム・ヒョンスク女性家族部長官に「猛暑や豪雨の対策、飛散粉塵対策、害虫防疫と感染対策(の検討が必要)。そして世界的な大会なので多くの観光客が来るだろうから、観光客用の便宜施設(トイレなど)対策、また営内外のプログラムも点検すべきだ」と述べている。イ議員は続いて「基盤施設の工程率が8月現在で37%ではないか。徹底的に準備しなければ、世界中の青少年と世界中が注目するこの大会が本当に難しい逆境に直面する可能性があるということを、長官は認知してほしい」と付け加えている。

 ジャンボリーの会場所在地である全羅北道扶安(プアン)選出のイ議員は、梅雨で排水ができていない当時の現場の状況を映像で紹介しつつ、キム・ヒョンスク長官に徹底した準備を注文した。イ議員は「今年(2022年)8月第1~2週の間に世界ジャンボリー予定地が梅雨入りし、排水ができていない」と述べ、猛暑・豪雨などの災害対策を強調した。去年の8月2日から7日まで開催される予定だったプレジャンボリーは、新型コロナウイルスの拡散を理由に突如中止となったが、イ議員は「(コロナは)表面的な理由」であり、事実上排水問題がプレジャンボリーの取り消し理由だとみていた。

 当時、イ議員が特にジャンボリー対策を強調したのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が女性家族部の廃止に着手したことで動力の落ちた同部がジャンボリーの主務省庁となっているため、ややもするとジャンボリー支援に力が入らない可能性もあると判断したからだ。同議員は「本当に重要な大会なのに、10カ月後に控えた今、主管官庁がどうなるか分からないという風前の灯火の運命」、「主務官庁が消えたという条件でこのジャンボリーがきちんと行われるのか」と問うた。これに対しキム長官は「支障なく準備する」と答えている。

 今年5月の国会本会議では、ジャンボリーの共同組織委員長を務める民主党のキム・ユンドク議員が、大会準備に万全を期すべきだと述べている。キム議員は5分間の自由発言で「ジャンボリーの安全問題の解決が非常に至急求められているということを申し上げるためにこの場に立った」とし、「準備が完璧になされていない状態で8月1日を迎えれば、青少年たちに夢と希望を与えるべきジャンボリーが恐怖とトラウマとして残る大会へと転落する恐れがある」と警告している。当時、ジャンボリー予定地がまたしても浸水したことに対して、政府は後続対策を打ち出していたが、「具体的な予算投入計画が決まっていないため、結論もない状況」だったというのがキム議員の主張だった。キム議員は「果敢かつ迅速な国費支援が必要だ。私たちに必要な予算は88億ウォン」だとし「韓国の子どもたちだけでなく世界167カ国の青少年4万3千人あまりの安全に直結する問題」だと強調している。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1103050.html韓国語原文入力:2023-08-04 14:50
訳D.K

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