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政府与党, 性犯罪‘電子足輪’遡及適用 推進

原文入力:2010-03-09午後10:28:39(1459字)
政界 検察 積極的…今月中 法改定 方針
検察 "刑罰でなく保安処分…法的問題ない"
法曹界一部 "刑罰不遡及 原則外れて違憲"

キム・ナムイル記者,キム・ジウン記者

常習性犯罪者や児童対象性犯罪者に出所後、最長10年まで付着できる位置追跡装置(電子足輪)を2008年9月1日の法施行前に起訴された人にも遡及適用する方案が政界と検察で推進されている。最近、釜山で13才の少女を拉致し性暴行した後に殺害した被疑者キム・キルテ(33)氏が2度の性犯罪前科があるにも関わらず電子足輪付着対象から除外されたという批判のためだ。

アン・サンス ハンナラ党院内代表は9日開かれた院内対策会議で 「国会法制司法委員会を迅速に開き、児童性暴行犯罪に関連した法案をはやく審議し通過させ、法務部と党政会議を迅速に開き電子足輪法の遡及適用問題をはやく決着することをお願いする」と話した。ハンナラ党は10日法務部と党政会議を開催し対策を議論した後、3月中に法改定を推進するという方針だ。イ・ガンレ民主党院内代表も院内対策会議で今回の事件に言及し 「(電子足輪法)遡及適用自体が非常に重要で緊急な懸案課題に浮上している」として「こういう問題に対し3月国会で明確に整理しなければならない」と話した。

最高検察庁刑事部はこの日、全国18ヶ検察庁の性暴行・児童専門担当検事たちによる画像会議で電子足輪遡及適用が必要だという側に意見を集約した。ソ・ビョンチョル大検察庁刑事部長は「電子足輪は刑罰ではなく保安処分なので、遡及適用しても問題にならないという意見が多かった」とし「こういう意見を整理し法務部に伝達する」と明らかにした。法務部と検察は現在収監されている性犯罪者などを追加的な電子足輪付着対象にするか、刑期を終えた人も含むのかなどを検討中だ。今は‘特定性暴行犯罪者に対する位置追跡電子装置付着に関する法律’施行(2008年9月1日)以後に起訴された被告人に対し検事が電子足輪付着を請求し裁判所の宣告を受けるようにしている。今まで電子足輪付着命令を受けた人は計574人だ。

検察はこれと共に児童を対象にした性暴行犯罪の再犯者で、同じ犯罪を犯す恐れがある被告人には懲役10年以上を求刑するなど児童性犯罪に対し強力に対処すると明らかにした。

一方、法曹界では電子足輪法遡及適用が刑罰不遡及の原則に外れ、違憲素地があるという指摘が出てきて論難がおきている。憲法は‘すべての国民は行為時の法律により犯罪を構成しない行為では訴追されない’と規定している。犯罪を犯す当時になかった法律は適用できないということだ。

検察は電子足輪制度が過去の犯罪行為を処罰する刑罰でなく、予防が主目的の保安処分なので遡及適用が可能だという立場だ。

だが電子足輪は自由を侵害する程度が大きく、一般的な保安処分とは性格が異なるという指摘も多い。ある法曹界関係者は「憲法は刑罰,参政権,財産権の3種に対しては遡及立法を制限している」とし「電子足輪付着が刑罰でなく保安処分だとしても、基本権を制限する遡及立法はできないというのが憲法の大原則」と話した。

キム・ナムイル,キム・ジウン記者 namfic@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/409093.html 訳J.S