「朝鮮半島の平和を実現する究極の方法は、結局、南北間の対話だ」
「2022ハンギョレ-釜山国際シンポジウム」2日目の27日、「危機の時代、いかに平和を作るか」をテーマに開かれたラウンドテーブルで、参加者たちは南北関係が硬直局面に転じたターニングポイントとして2019年の「ハノイ朝米首脳会談」の決裂を挙げ、悪化した南北関係を解決する方法は対話しかないということで概ね意見の一致を見た。同日の会議には、北韓大学院大学のキム・ソンギョン教授とハンギョレ平和研究所のチョン・ウクシク所長、そして国会外交統一委員会所属のハ・テギョン議員(国民の力)とイ・ジェジョン議員(共に民主党)が討論者として参加した。
ハ議員はこの日の討論で、南北関係が硬直した原因として「ハノイ会談以降、核を諦めないという北朝鮮の意志が強くなった」という点を挙げた。チョン所長も、「(文在寅政権が進めた)朝鮮半島和平プロセスが事実上座礁した理由は、政権が変わったためというより、ハノイ会談の決裂が決定的だった」と同意した。北朝鮮が望む対北朝鮮経済制裁の解除のためには米国の同意が欠かせないが、ハノイ会談の決裂でその可能性がなくなったことで、北朝鮮が韓国との関係回復に重きを置く代わりに、米国との交渉のため核開発にさらに力を入れてきたという説明だ。キム教授も「南北関係は朝米関係に従属せざるを得ないという構造的な問題がある」と指摘した。イ議員は、「(このような状況で)対北朝鮮抑止力を高めるほど、南北の対立につながる」とし、「いかなる形であれ、何らかの名分を作って対話チャンネルを稼働させなければならない」と述べた。
ただし、北朝鮮の対話を誘導する案については意見が分かれた。チョン所長は「私たちが同じ行動を繰り返しているのに、北朝鮮に行動の変化を期待するわけにはいかない」と述べた。 一例として、北朝鮮が「北侵戦争演習」と強く反発する韓米合同軍事演習を続けながら対話を求める場合、北朝鮮が受け入れるわけがないという指摘だ。チョン所長は来年3月に予定されている韓米合同演習を猶予し、これを機に北朝鮮に対話を提案することを提案した。
ハ議員はこのような意見に「韓米合同軍事演習の猶予が長期間続いた場合、韓米同盟に深刻な問題が生じかねない。韓国の国益に致命的な打撃を与える恐れがある」と反対した。その代わり「北朝鮮を刺激して、北朝鮮が先に韓国に対話を要請するようにしなければならない」と述べた。ハ議員は、「北朝鮮が最も恐れていることの一つが、外部情報が流入することだ」とし、北朝鮮住民が自由にインターネットに接続できる環境づくりに韓国政府が資金支援を行う案を提示した。そして、「北朝鮮が(自国内の情報流入を)遅らせるために、韓国政府に対話を懇願する可能性がある」と述べた。
同日の討論では、最近保守政界の一部で提起されている「核武装論」に対し、「実現可能性がない」という批判が相次いだ。イ議員は「核武装論、戦術核の再配備、核の共有など多様な方式の核能力の拡大は、韓米同盟を破棄しない限りできないことだ」と主張した。チョン所長も「韓国が独自に核兵器を作ることが妥当かどうかの問題以前に、独自の核開発は不可能だ」と指摘した。
ハ議員も「保守も現在、核武装が難しいことを知っている」と認めた。ただし、「(このような要求が)米国に核の傘に対する保証を可能な範囲内でもう少し強くしてほしいと圧迫する意味では効果はあると思う」と述べた。また、兵器用核物質を生産できるウラン濃縮および再処理技術を備えており、「核潜在力を保有している国」と分類される日本を取り上げ、「結論的に韓国も日本のようにならなければならない」と主張した。
またハ議員は国民の力の一部が主張する9・19南北軍事合意および朝鮮半島非核化宣言の破棄についても「政権が変わったからといって既存の南北合意を廃棄するのは望ましくない」と批判した。ただし「平和のために一時的な効力停止はできるとみている」とし、「これは法違反でもない」と語った。これに先立ち、クォン・ヨンセ統一部長官は4日の国政監査で、「前政権で結んだ南北合意の取り消しや停止は考慮していない」と答弁した。