ソウル地域を襲った豪雨で亡くなった冠岳区(クァナック)の半地下の一家のことを報道で知ったある市民が、遺族に長期間の寄付を約束した。
ソウル江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)で英語塾を経営しているユ・ハワードさん(47)は14日、半地下の惨事の犠牲者である免税店職員Hさんの母親Aさん(73)に会い、今後毎月30万ウォン(約3万円)の寄付金を渡すことを約束したと明らかにした。Aさんは先日がんの診断を受けて病院に入院している。
ユさんは本紙のインタビューに対し「今回の連休中に何とかお母さまにお会いし、慰めの言葉と共に寄付の意思を伝えた」とし、「最初は何の助けも受けたくないと繰り返し断られたが、心からの説得の末に受け入れてくださった」と語った。
ユさんは、亡くなったHさんの同僚の免税店職員たちがHさんを追悼して記したメッセージのことが書かれた本紙の記事を読み、寄付を決心したと語った。同氏は「亡くなった方は集合住宅の半地下の家で家族を扶養しながら社会のために尽くしていたのに、韓国社会がまだ未熟なせいで、立派な方が光を見ることができず亡くなったことが残念で、寄付を決心した」と語った。
ユさんは米国で事業をしていたが、2008年の金融危機後に事業をたたんで帰国した。英語塾で講師として働いて生計を立て、2016年に自分の塾を開業したという。ユさんは帰国当時、大峙洞の集合住宅街の半地下に住んでいたという。2010年と2011年の夏の豪雨で江南地域が浸水した際には、自宅が浸水する被害を被った。「生活がましになったら半地下に住む人々のために何かしたかったのですが、忙しくて忘れていました。今回のことで背中を押されました」
ユさんはすでに何度も、厳しい状況に直面している人々に寄付してきた。新型コロナウイルス禍初期の2020年2月には、大韓赤十字社を通じて大邱(テグ)広域市に1000万ウォン(約102万円)、2019年には慶尚北道浦項(ポハン)の地震の被害者のために1500万ウォン(約152万円)を寄付している。これまでに困難にある学生たちに渡した奨学金の規模も数千万ウォンに達するという。ユさんはもともと一時金として1000万ウォンを寄付するつもりだったが、今後毎月Aさんを訪ねて30万ウォンずつ手渡すことにした。
「遺族の方に最も役立つのはどんな方法か悩みました。周りのお年寄りにもアドバイスをお願いしたら、本当に助けたいなら毎月訪ねていくように言われたんです。幸いAさんも許してくれたので、私にとってももっと仕事を頑張る理由ができました」